あれは、10年前くらいのことだろうか。
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「あなた!!みて!!"はなかざり"だよ!!」
『わぁぁ〜!!すごくきれいっ!!』
「これ、あなたにあげる!」
『こんなにきれいなもの、貰えないよ!』
「あなたにはこのくらいきれいなものの方が合うよ!」
『えへへ!そうかなぁ、ゆーくんありがとう!』
「あなたのえがおをみると、僕も幸せな気分になれるよ!」
『あたしも、ゆーくんのえがおをみると楽しい気分になるよ!』
そうやって、毎日毎日 二人で一緒に公園で遊んでいた。
春は花飾りを作り、夏は虫取り。秋には落ち葉を拾い、二人で仮面を作り遊んでいた。
冬には雪だるまを作って、次の日には雪だるまが溶けていて二人で泣いていたなぁ。
今も昔のことを思うと、胸がいっぱいになります。
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…幸せな時間が続いたのも長くはありませんでした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!