絵斗は神社の前までくると目の前の扉を開け封印していた猿の像を優しく撫でた。
ここに戻ってきた時、記憶を持っているのは絵斗だけだった。
混乱してこのことを言うべきか悩んでいたら、ロボ太達が話しかけてきたのだ。
結局言えずじまいで絵斗は何も出来なかったのだ
聞こえているか分からないが、猿の像を落とさないように直す。
自分が触ったからか分からないが、猿の像には温もりが感じた。
誰もいないのに神社の前で大声で話す。
もう夕方なのでその声が誰かに届くことはなかった
誰しもが知っていることを声に出す。
ここら辺では有名な刑事さんだと。
その表情はなんとも言えない表情をしていた。
苦しそうな泣きそうな顔でらっだぁに話をかけている
神社に飾ってある鈴がチリンと動いた。
まるで辞めろと止めているかのように風が止まってもずっとチリンチリンと音を奏でさせていた。
俺はね……と言いながら手を合わせて小さく呟いた
風がふいた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。