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第11話

再び
少女_____サキは全てのファイルを読み終えた。

そして、震える指先でSDカードをパソコンから抜いた。

私が彼を一人にさせたから、彼は孤独と絶望の中で息絶えたんだ。

私のせいで……

抱え込んだ頭の中では、"人間として生まれたかった"という彼の最期の願いがぐるぐる回っていた。

サキはふらふらと立ち上がり、カードを片手におぼつかない足取りでベランダへ向かった。

もう完全に、鬱に支配された体だった。

彼は私だけにさよならを残して、向こうの世界へ逝ってしまった。

そして最期の瞬間、彼は"もっと生きたかった"なんて言わなかった。

それは、この先私に会える未来がこないことを確信していたから。

ベランダの窓を開け、数百メートル下が固いコンクリートの地面であることを確認する。

大きく深呼吸をした時、カードを握り締めていることに気付いた。

㊙︎と書かれたそのカードは、この先他人に見られてはまずいのかもしれない。

サキはためらうことなくそのカードを口に入れた。

カードを壊すなんてことは、彼の生きた証を奪ってしまうようで絶対にできなかった。

だったら最期くらいは彼と一緒にいたいと思った。

サキはベランダの柵に片足をかけ、全体重をそこに乗せようとしたその時。



体に電気が流れた。



〈〈Warning〉〉

⚠︎ " Live, Saki "



そのショックで、柵の内側へ、背中から着地するはめになった。

視界に広がった空は、目が眩むほどに彩度の高い青色で、その青空はだんだん波立ってきて、海のように見えた。


「……守ってくれて、ありがとう。」


サキは、あとからあとから溢れる涙を止めることができなかった。

彼はこれからもサキの中で生き続け、そして生きるための選択を与え続けることを決意したようだった。

なぜなら、

☑︎死:サキから守るもの。

だからだ。

サキは涙を拭い、痛む体をゆっくりと起こした。

ついさっきまでの、海の底を彷徨っていたような感覚は消え、あたたかい何かに包まれたような、そんな安心感でいっぱいだった。

私はこの日、これからは彼のために生きると決めた。