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第3話

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ぼくは、生まれたその日にサキの家へ連れて行かれた。

その際、ぼくも人間とほぼ同じ体つきをしていることに気づいた。

なぜ"ほぼ"なのかというと、ぼくには胸の膨らみがなく、代わりに下半身に膨らみがある、という違いがあったからだ。


「ねえ、あなたって一体どんなふうに生活するの?食べる物は私たちと同じ?私と同じように寝たり起きたりするの?睡眠って必要?それから」


ぼくの前に座り込んだサキが、興奮しながら次々に話し始めた。


「質問はひとつずつでお願いします。」


「えー、何それ、冷たくない?」


「ぼくは機械ですので。」


その時、ぼくはサキのむすっとした気配を感じとった。

そして次の瞬間、紡ぐべき言葉が頭の中にはじき出された。


「ぼくはただ、サキと一緒に、同じ毎日を過ごしたいのです」


「……本当に?」


ぼくは大きく見開かれたサキの目を見て、背筋がぞくりとした。

不安と期待の炎が、目の奥で燃えているように見えたからだ。


「あなたが望む限り、ぼくはあなたの隣にいます」


ぼくはその瞳から目をそらすことができなかった。

そして、サキを怯えさせる何かから彼女を守ることが、ぼくの使命だと思った。


「ありがとう、君に会えてよかった。」


「それはよかったで」


「おおおお!笑った…!」


ほら、と言われ、ぼくは差し出された手鏡を見た。

鏡には、目尻が下がり、口角の上がったぼくが映っていた。

そこでぼくは、初めて自分の顔を見たことに気づき、この顔ならサキと同じくらいの年だと認識した。


「あ、そうそうついでにもう一つ、敬語使うのやめてほしいんだけど。」


「はい、分かりま…いや、分かった。」


ぼくは敬語禁止の命令をプログラムに取り込んだ。

ぼくはこの日、人間もぼくも、嬉しいと笑顔になるということを知った。

そして、ぼくはサキのために生きることを決意した。