第66話

〔道枝駿佑〕約束(R)
11,041
2020/08/22 08:10


時刻は午後7時。



仕事も終わって、少し疲れたなぁなんて思いながら



いつも通り俺は、足早にあなたが待つ家へと向かう。



「ただいま~!」




だけど、いつもなら俺が玄関の扉を開ければ、ニコニコの笑顔で"おかえり"って



そう言って、俺を出迎えてくれるあなたがいるはずなのに



今日は、そんなあなたの姿がない。



「あなた~??」



靴もあるし、電気も付いているから、あなたが家の中に居ることは、きっと間違いない。



でも、待っても待ってもあなたの姿は見えなくて。



心配になって、俺が急いでリビングへ向かうと…




「あなた…!!」



『しゅんっ、くん…っ、!』



「えっ、?わぁっ、ちょっ…!」



思った通りリビングにいたあなたは、俺の姿を見るなり、いきなり抱きついてきて。



「あなた…?」



でも、それだけじゃない。



少し上がったあなたの息と、ほんのりと赤く染まった綺麗な頬。



『しゅんくん、助けてっ。身体が熱いの…っ。』




なんて、瞳を潤ませながら、縋るようにそう言ってくるあなた。



一瞬、何が起こったのかわからなかった。



だけど、ふと辺りをぐるっと見回せば、目に入ってくるのは



机の上に無造作に置かれた、1つの小瓶。



まさか…



「もしかしてあなた、これ飲んだん…?」



『…少しだけ…。中身が何か気になって…っ。』




やっぱり…。



あれだけ飲んだらあかんって、ちゃんと言っておいたのに。




「なぁ、あなた。何か俺にして欲しいことあるんやろ?」



『っ、駿くん、…』



「ほら、ちゃんと言わな。身体、熱いんやろ?
あなたは、俺にどうして欲しいん?」




あなたが飲んだのは、"媚薬"。



元はと言えば、約束を破って勝手にそれを飲んだ、あなたのせい。



だけど…



『…駿くんっ、触って欲しいっ。』



ごめん、あなた。



俺やって、あなたのそんな姿見せられて、優しく出来るほど、余裕ないねん。




「今、気持ちよくしたるから…っ。」



『…っ、駿く、んんっ…!!』




リビングのソファーにあなたを押し倒して、噛み付くようにキスをして。



それと同時に、あなたの着ている服を脱がしていく。



媚薬の効果のせいなのか、何度か深いキスをするだけでも



あなたは、とろんっとした顔をして、少し下に目を落とせば



既につんっと、主張しているあなたの胸の蕾。




『ぁあっ!んぁっ、しゅんっ、!』




膨らみを揉んだり、先端を舌で舐め回すようにして、刺激を与えてあげれば



いつもよりも、大きく漏れるあなたの甘い声。




「そろそろ、こっちもええやろ?」



『待っ、しゅ、く…、はぁっ、ぁんっ…!!』




ただでさえ、媚薬の効果で発情しているあなたは、俺にとって毒なのに



少しでも刺激をすれば、どんどんと淫れていくあなたの姿に



俺の気持ちが、高ぶらないはずもなく。



耐えられなくなって、あなたのナカに入れた指を、いつもより早く動かせば




『…っ、ぁっ、ん、イ、く…!!』



あっという間に達してしまったあなた。



正直、あなたにはイったばっかりで申し訳ないけれど



俺のも、そろそろ限界で。



「な、もうええ?ほんまに、限界…っ。」



なんて、俺がそう言えば



『ええから、駿くん、はやくきてっ、!』



俺の腕をぎゅっと掴みながらそう言うあなたに、僅かに残っていた俺の理性さえも、全部奪われて。



ゆっくりと、あなたのナカに自身を沈めていけば



それだけでも、ぎゅーっと俺のを締めてきて。




「…くっ、ここ、めっちゃ締まる…っ!」



『ぁっ、やぁっ、そこ、ダメ…ぁんっ、!』




腰の動きを早めながら、あなたの好きな所を目掛けて、ぐんっと突き上げれば



ナカはさらに締まるから、襲ってくる快感はさっきの倍以上で。




『駿くっ、も、きちゃう、からっ…!』



「俺もやっ、あなた、一緒に…っ、!」



『っ、ふぁっ、しゅん、駿くんっ…、んんっ…!!』



「っ、あなた…!、はぁっ、ぅ、っ!!」



お互いの名前を呼び合いながら、2人で一緒に果てた。









事が終わったあと、疲れてしまったのか俺の隣で、気持ちよさそうに眠っているあなた。



そんなあなたの寝顔は、めちゃくちゃ可愛くて。



「あなた、大好きだよ。」



なんて、そう言って。



俺は眠っているあなたに、そっと優しいキスをした。








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