友達「長尾はさぁ~、彼女に甘えたい?それとも、甘えられたい??」
「え、俺?笑 …んー、俺は、、どちらかといえば、甘えられたいかなぁ~?笑」
『…っ、!!』
……聞いてしまった。
放課後。
今日もいつも通り、彼氏の謙杜くんと一緒に帰るために
2つ隣の謙杜くんのクラスへと向かえば…
聞こえてしまった。
彼女に " 甘えられたい " という、謙杜くんの会話を。
…謙杜くんとは、付き合い始めてそろそろ1年。
だけど、、、。
昔から誰かに甘えたり、頼ったり。
そーゆー事が苦手な私は、自分から謙杜くんに甘えたことなんて、ほとんど無くて…。
「……っ、! ……ちゃん!! あなたちゃんっ!!」
『…へっ、?』
「大丈夫…? なんか今日、様子変やけど…。もしかして、何かあった、、?」
『…う、ううん、平気、、!! なんでもないよ…!』
「そう? それならええんやけど…! あ、でも。何かあったら相談してな? 俺、これでも一応あなたちゃんの彼氏やねんから!」
なんて、ニコニコしながらそう言う謙杜くんに
せっかく、誘ってもらった放課後のお家デートも。
さっきの謙杜くんの " 甘えられたい " って言葉が気になって
全然楽しめなくて、、、。
別に、謙杜くんに甘えるのが嫌…とか、そういう訳ではないけれど。
迷惑じゃないかな、? とか。
嫌がられないかな、? とか。
そんな事ばかり考えてしまって、甘えられなくて。
…ちょっとだけ。
謙杜くんだって、甘えられたいって言ってたし…?
少しぐらいなら…!
…なんてそう思って、、、
「っ、! あなたちゃん、、?」
隣に座って居た謙杜くんの背中に、ぎゅっと抱きつけば。
突然のことに、少し驚いたように、私の名前を呼ぶ謙杜くん。
そんな謙杜くんの反応に、自分の取った行動が、何だか急に恥ずかしくなってきて。
返事をする変わりに、抱きしめる力を強くすれば…
『…っ、!』
前に回していた私の手を包み込むように
そっと優しく、謙杜くんも自分の手を重ねてくれて。
「やっぱりあなたちゃん。…何かあった、、? 」
『…っ、!、、。』
「別に、嫌なら無理して言わんでもええねんで、、! …ただ、、ちょっとだけ。教えて貰えへんの寂しいな…、って思って、、。」
なんて、明らかにしゅんっとしながら、謙杜くんがそう言って。
今なら…。
今なら本当のこと、言ってもええかな、、?
…って、そう思って、、。
『謙杜くんが…、彼女に甘えられたいって言ってたから。』
「…へっ、?」
『聞いちゃったの…! 今日謙杜くんが友達と、彼女には甘えられたいって話してたところ、、。』
「っ、!!」
『私、自分から甘えたりするのとか苦手やから…。だから、もしかしたら謙杜くんは、私なんかじゃ…っ、、!?』
謙杜くんは。
自分から甘えたり出来ひん私なんかじゃ、嫌なのかも…って、。
そう伝えようとすれば。
そんな私の言葉を遮るように、くるっと後ろを向いた謙杜くんに
気が付けば、今度は私の方が、ぎゅーっと抱き締められていて。
『…っ、けん…「思ってないよ。」
『っ、!』
「あなたちゃんじゃ嫌だとか、不満だとか。そんな事、俺全然思ってないねんで?」
『…でも謙杜くん、甘えられたいって、、!』
「そりゃぁ、まぁ、、。俺やって男やし?笑 彼女に甘えられたいなって、ちょっとぐらいは思うけど…。」
『じゃあ、やっぱり…「えーの!!」
「あなたちゃんは、今のままでええから。 だって俺、今みたいに毎回あなたちゃんに甘えられたら、ドキドキしすぎて心臓持たへんもんっ。笑」
『…っ、、。』
「それに俺、甘えられなくたって、あなたちゃんと一緒に居られるだけで充分やから。だから、あなたちゃんは今のままでええんやで?」
なんて、優しく微笑む謙杜くんは
やっぱり、私の大好きな謙杜くんで。
『…謙杜くんっ。』
「ん、??」
『…好きっ。謙杜くんのこと、大好きだよっ。』
「っ、!…ふふっ、うん。笑 知ってる。俺も大好きやで、あなたちゃん。」
なんて、少し照れくさそうにそう言う謙杜くんも
やっぱり好きだなって、そう思って。
もちろん、今まで通りの私を受け入れてくれる謙杜くんも、大好きやけど。
私だって…たまには、謙杜くんの照れてる姿も見たいから。
明日のデートは、…いつもより少しだけ。
謙杜くんに甘えてみようかなっ、。
…なんて、そんな事を考えた
金曜の夕方。
謙杜くんとの、放課後お家デートの時間。
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リクエストありがとうございました🍀
この小説も含め、他の小説でも投稿しようと思っていたチャプターが
システム不具合の影響で、複数話分全て消えてしまった為、少し更新遅くなるかもしれないです💦
今の所、バックアップされる分はそのまま投稿する予定ですが
バックアップされる日時までに、しばらく時間がかかる場合は
1から書き直して、出来るだけ早く投稿しようと思ってます🙇
(このお話はバックアップの対象ではないようなので、先に書き直しました💦)
なので、少し更新待って頂けたら嬉しいです😭
よろしくお願いします🙇🙏
apricot
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!