第155話

〔長尾謙杜〕甘えるのだって悪くない
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2021/03/18 09:54



友達「長尾はさぁ~、彼女に甘えたい?それとも、甘えられたい??」



「え、俺?笑 …んー、俺は、、どちらかといえば、甘えられたいかなぁ~?笑」



『…っ、!!』




……聞いてしまった。



放課後。



今日もいつも通り、彼氏の謙杜くんと一緒に帰るために



2つ隣の謙杜くんのクラスへと向かえば…



聞こえてしまった。



彼女に " 甘えられたい " という、謙杜くんの会話を。



…謙杜くんとは、付き合い始めてそろそろ1年。



だけど、、、。



昔から誰かに甘えたり、頼ったり。



そーゆー事が苦手な私は、自分から謙杜くんに甘えたことなんて、ほとんど無くて…。




「……っ、! ……ちゃん!! あなたちゃんっ!!」



『…へっ、?』



「大丈夫…? なんか今日、様子変やけど…。もしかして、何かあった、、?」



『…う、ううん、平気、、!! なんでもないよ…!』



「そう? それならええんやけど…! あ、でも。何かあったら相談してな? 俺、これでも一応あなたちゃんの彼氏やねんから!」




なんて、ニコニコしながらそう言う謙杜くんに



せっかく、誘ってもらった放課後のお家デートも。



さっきの謙杜くんの " 甘えられたい " って言葉が気になって



全然楽しめなくて、、、。



別に、謙杜くんに甘えるのが嫌…とか、そういう訳ではないけれど。



迷惑じゃないかな、? とか。



嫌がられないかな、? とか。



そんな事ばかり考えてしまって、甘えられなくて。



…ちょっとだけ。



謙杜くんだって、甘えられたいって言ってたし…?



少しぐらいなら…!



…なんてそう思って、、、




「っ、! あなたちゃん、、?」




隣に座って居た謙杜くんの背中に、ぎゅっと抱きつけば。



突然のことに、少し驚いたように、私の名前を呼ぶ謙杜くん。



そんな謙杜くんの反応に、自分の取った行動が、何だか急に恥ずかしくなってきて。



返事をする変わりに、抱きしめる力を強くすれば…



『…っ、!』



前に回していた私の手を包み込むように



そっと優しく、謙杜くんも自分の手を重ねてくれて。




「やっぱりあなたちゃん。…何かあった、、? 」



『…っ、!、、。』



「別に、嫌なら無理して言わんでもええねんで、、! …ただ、、ちょっとだけ。教えて貰えへんの寂しいな…、って思って、、。」




なんて、明らかにしゅんっとしながら、謙杜くんがそう言って。



今なら…。



今なら本当のこと、言ってもええかな、、?



…って、そう思って、、。




『謙杜くんが…、彼女に甘えられたいって言ってたから。』



「…へっ、?」



『聞いちゃったの…! 今日謙杜くんが友達と、彼女には甘えられたいって話してたところ、、。』



「っ、!!」



『私、自分から甘えたりするのとか苦手やから…。だから、もしかしたら謙杜くんは、私なんかじゃ…っ、、!?』



謙杜くんは。



自分から甘えたり出来ひん私なんかじゃ、嫌なのかも…って、。



そう伝えようとすれば。



そんな私の言葉を遮るように、くるっと後ろを向いた謙杜くんに



気が付けば、今度は私の方が、ぎゅーっと抱き締められていて。




『…っ、けん…「思ってないよ。」



『っ、!』



「あなたちゃんじゃ嫌だとか、不満だとか。そんな事、俺全然思ってないねんで?」



『…でも謙杜くん、甘えられたいって、、!』



「そりゃぁ、まぁ、、。俺やって男やし?笑 彼女に甘えられたいなって、ちょっとぐらいは思うけど…。」



『じゃあ、やっぱり…「えーの!!」



「あなたちゃんは、今のままでええから。 だって俺、今みたいに毎回あなたちゃんに甘えられたら、ドキドキしすぎて心臓持たへんもんっ。笑」



『…っ、、。』



「それに俺、甘えられなくたって、あなたちゃんと一緒に居られるだけで充分やから。だから、あなたちゃんは今のままでええんやで?」




なんて、優しく微笑む謙杜くんは



やっぱり、私の大好きな謙杜くんで。





『…謙杜くんっ。』



「ん、??」



『…好きっ。謙杜くんのこと、大好きだよっ。』



「っ、!…ふふっ、うん。笑 知ってる。俺も大好きやで、あなたちゃん。」




なんて、少し照れくさそうにそう言う謙杜くんも



やっぱり好きだなって、そう思って。



もちろん、今まで通りの私を受け入れてくれる謙杜くんも、大好きやけど。



私だって…たまには、謙杜くんの照れてる姿も見たいから。



明日のデートは、…いつもより少しだけ。



謙杜くんに甘えてみようかなっ、。



…なんて、そんな事を考えた



金曜の夕方。



謙杜くんとの、放課後お家デートの時間。








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リクエストありがとうございました🍀






この小説も含め、他の小説でも投稿しようと思っていたチャプターが



システム不具合の影響で、複数話分全て消えてしまった為、少し更新遅くなるかもしれないです💦



今の所、バックアップされる分はそのまま投稿する予定ですが



バックアップされる日時までに、しばらく時間がかかる場合は



1から書き直して、出来るだけ早く投稿しようと思ってます🙇

(このお話はバックアップの対象ではないようなので、先に書き直しました💦)



なので、少し更新待って頂けたら嬉しいです😭



よろしくお願いします🙇🙏




apricot





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