第47話

〔道枝駿佑〕部内恋愛
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2020/08/06 13:36


『駿佑くん、お疲れ様!はい、これ。』



「あなた!いつもありがとうな!」



『ふふ、うん。笑』



部員「あー!また道枝だとマネージャーがイチャイチャしてる!!やっぱりお前ら付き合ってるんやろ!」



「バカ、そんな訳ないやろ?部内恋愛禁止!」



『そうだよ!しかも別に、イチャイチャなんてしてへんし…!』



部員「えー、怪しすぎ!まぁでも、少なくとも道枝は、マネージャーのこと好きやもんな?笑」



「おい、余計な事言うなって!それにほら、早く練習戻らんと監督に怒られるで?」



部員「やっばっ!それだけは勘弁や…!!」



「ったく…。笑 あ、そうだあなた。」



『ん??』



「練習終わった後、部室で待ってるから。」




なんて、他の人に聞かれないように私の耳元でそう言って



何事もなかったかのように、練習に戻っていく駿佑くん。



駿佑くんは、私がマネージャーを務めるサッカー部の部長で、我が部のエース。



そして私の、彼氏でもある。



だけど、昔からずーっと続いている部活のルールで



"部内恋愛禁止"って、そう決められているから



私たちの関係は、他の人には絶対内緒。





『ごめん駿佑くん、少し遅くなっちゃった…!』



「ううん、全然!ほらあなた、こっちおいで?」




練習が終わったあと、マネージャーの仕事を早めに片付けて



言われた通り私が部室に向かうと、他の皆が帰って静かになった空間で



1人、私のことを駿佑くんが待ってくれていて。



ニコニコの笑顔で駿佑くんに手招きされて、2人並んでベンチに座ると…



「やぁっと、これであなたと2人きりや…!」



なんてそう言いながら、ぴとって私にくっついてくる駿佑くん。




『ふふ、珍しいね。駿佑くんが学校で私に甘えてくるの。』




今まで私たちが付き合ってる事は、絶対バレちゃいけないからって



学校にいる間は、極力部活以外では、会話だってしないようにしてたのに



急に甘えてくる駿佑くんに、ちょっとビックリして。



だけど、やっぱり何だか嬉しくて。



こんな些細なことでも幸せだなぁ~、なんて思っていると



『えっ、わぁっ…!、駿佑くん…?』



突然駿佑くんが、ぎゅーっと抱きついてきて




「本当はな?俺やって、教室でもあなたと話したいって思ってるんやで?でもさ、バレたらあかんのやもん…!」




なんて、普段はクールな駿佑くんが、ちょっと拗ねたようにそう言う様子が



小さい子みたいで、可愛くて。




「むぅっ、なんで笑うねん。」



『だって、駿佑くんが可愛いすぎるんやもん!笑』




ぷくっと頬を膨らませながら、拗ねている駿佑くんは、やっぱり可愛くて



私は思わず笑ってしまう。





「もう!笑い事やないの!俺心配なんやから!!あなたが、他のやつに取られちゃうんやないかって!」



『そんなに心配しなくても、大丈夫だよ?』



「でも、心配なの!部活やと男ばっかり居るし、それにあなた可愛いし、クラスのやつだって、皆あなたのこと狙ってるんやから!」




そう言いながら駿佑くんは、さらに強く抱き締めてくる。




「あっ!そうや、いい事思いついた!」



『えっ?、しゅんっ…っ!?』




"いい事思いついた"



そう言った駿佑くんが、私の首に顔を埋めたのと同時に、首筋に走るチクッとした痛み。




「ふふ、出来た!!これであなたは俺のものってわかるやろ?」



『そうだけど…!ここじゃ皆にバレちゃうやん…!』



「いーの!わざとやから!絶対絆創膏で隠しちゃダメやからね!」




なんて満足そうにそう言って、笑顔で私の方を見つめる駿佑くん。



そんな駿佑くんを見ていたら、何だかもう、皆にバレてもバレなくても



どっちでもいいのかも、ってそう思えてきて。



「あなた…?」



私も、駿佑くんの綺麗な首筋に吸い付いて、印をつける。



『さっきの仕返し!笑』




なんて、そう言いながら2人で顔を見合わせて、笑いあって。



次の日。



私たちが付き合っていることが、皆にバレてしまったことは



きっと、言うまでもない。






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