第60話

〔大西風雅〕大好き(R)
12,283
2020/08/16 10:37


『ねぇ、風雅くん。』



「んー?」



『風雅くんは、私のこと……。』



「??」



『…やっぱり、なんでもない…!』




"私のこと、好き?"



そう言いかけて、言葉に詰まる。



風雅くんと付き合い始めて、そろそろ1年。



だから、風雅くんが自分の気持ちを表に出すのが苦手だってことも



"好き"って



そんな言葉がなくたって、私のことを大切に想ってくれているのは、よーくわかってる。



だけど、女の子からしてみたら、やっぱり恋人から"好き"って言われたいとも思うし



こうやって、お家デートをしていても。



スマホばかりで、なかなか私のことを構ってくれへん風雅くんに



私じゃあかんのかな…って、不安になることだって少なくない。




『あの…!ふう、「あなた、こっち来て?」



『…えっ、?』



「ほーら、早く。こっち、おいで?」




ベットに腰を掛けながら、そう優しく私を手招きしている風雅くん。



そんな風雅くんに私は誘導されるがまま、ベットの方へと近づくと



ぐいーっと腕を引っ張られて、そのままふわっと抱き締められて。



「心配せんでもだいじょーぶ。俺は、あなたのこと好きやで?」



『…っ!!』



なんて、私を安心させるかのように、優しい声でそう言ってくれて。



『風雅くんっ…。』



「なぁ、あなた。あなたには俺がこんなにも好きって気持ち伝わってない?」



『ううん、違うの。ちゃんと伝わってるよ…?でもやっぱり少し不安で…!』



「だったらその不安。今から俺が取り除いたる。」



『えっ、!風雅く、んっ、!』




"不安、取り除いたる"



そんな言葉とともに、私は優しくベットに押し倒されて



噛み付くように、キスをされて。




『っ、はぁっ、ふう…、んんっ…』



苦しくなって少し口を開ければ、当たり前のように風雅くんの舌が入ってきて



私の舌を絡めとるように、どんどんと深いキスへと変わっていく。



唇が離れると、休む暇もなく着ていた服は脱がされて



顕になった胸を、荒い手つきで揉まれたり



すっかり勃ってしまった先端を、爪で弾いたり、口に含まれたり。



とことん刺激を与えられれば



『ぁっ、んぁっ、ふう、くんっ…!』



我慢できなくなって自然と溢れる、甘い声。



「ふふ、可愛い。そろそろこっちもええんちゃうん?」



『やっ、風雅く、待っ、ぁんっ…!』




風雅くんの手が下へ伸びてくるのと同時に、ナカに指を入れられて。



「あなた、ここ気持ちええ??」



『ぁっ、ね、それ、やぁっ、んんっ…!!』




いつもより激しく、ナカを掻き回すように指を動かされれば、限界で。



一気に押し寄せてくる、大きな快感。



だけど、それだけじゃ足りなくて。



私の本能が、風雅くんを求めていて。



『ねっ、もう風雅くんのがいいっ…!』



なんて、そう私がお強請りすれば



「…っ!バカ、あんまり煽らんでや。手加減出来なくなるからやろっ。」



『ぁんっ、はぁっ、んん…っ!!』



一瞬、驚いた顔をする風雅くん。



でも、そんな表情はすぐに男の顔へと変わっていって


勢いよく私のナカに入ってくる、風雅くんのもの。




「っ、ぁっ、気持ちええっ、」



『んっ、ぁあっ、ふう、くん…!』



お互い理性なんて、これっぽっちも残ってなくて。



ただただ、お互いを求めるように激しく動き続ける腰。



最奥を目掛けて激しく突かれれば、襲ってくる快感に為す術もなく。



『ね、もうイっちゃ、からっ!』



「俺も、限界や…っ!」



『風雅くん、好きっ、大好き、んっっ…!!』



「あなた、大好きやでっ、…!」




なんてお互いの愛を伝え合いながら、2人で一緒に果てた。









事が終わったあと、上がった息を整えながら2人でベットに横になると



私はそのまま、風雅くんにぎゅーっと抱き締められて。



「あなた、これからもずーっと、大好きやで。」



なんて、少し照れくさそうにそう言う風雅くんは、紛れもなく私の大好きな風雅くんで。




『私も、風雅くんのこと大好き…!』




普段の風雅くんの無口で優しいところも、たまに見せる男らしい部分も。



全部ぜーんぶ、"大好き"だよ。







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