第85話

〔織山尚大〕一枚上手
8,752
2020/09/13 00:36


『…それでね!……だったの!!笑』



忍者「あはは!笑 やっぱりあなたちゃんの話って、いっつも面白いよね!笑」



『本当?笑 そう言われるとなんか嬉しい!笑』



「あなた!」



忍者「今度皆で遊びに行く約束してるんやけど、あなたちゃんも一緒に行こうよ!!」



『えっ!いいの!?行く行く!!!』



「ねぇ、あなた!!」



『じゃあ、その時に皆にお菓子でも作ってこようかな~!』



忍者「まじ!?よっしゃぁ!あなたちゃんの手作りだ!」



『美味しいっていう保証はないよ?笑』




忍者「いやいや!!絶対美味しいって!あ、でも、あなたちゃん。あれ、いいの?笑」



『えっ、?』



少年忍者の楽屋にお邪魔中。



皆でワイワイしながら話していると、ふと、誰かがそう言って。



皆が指差す方を見てみると…



そこには、頬をぷくっと膨らませながら、1人、拗ねてる尚大がいて。




少しむすっとしながら、私の方へと近づいてきたかと思ったら…




「……あなた、こっち。」



『えっ、!ちょ、尚大…!?』



皆に見せつけるように、恋人繋ぎをして。




『ねぇ、尚大っ!尚大、聞いてる?』



何度呼んでも、私の言葉になんか全く聞く耳を持たずに



楽屋を出て、ぐんぐんと歩き続ける尚大に連れてこられた場所は



誰もいない、会議室。



扉を閉めて、完全に二人っきりになると



いきなり尚大は、ぎゅーっと抱きついてきて。




『尚大…?』



「…メンバーと仲良くなりすぎだからっ。」




なんて、不貞腐れたように、小さな声でそう言う尚大。




『ふふ、やっぱり尚大、それでさっきから拗ねてたんだ。笑』



「…っ!…わかってたなら俺の前で他の奴らとあんまり仲良くしないでっ!俺、何回もあなたの事呼んだのに…。」



『ごめんごめん。笑 だって尚大が拗ねてる所可愛いんだもん。笑』




尚大と付き合っていることは、事務所にもファンの皆にも、認めてもらってる。



だからもちろん、少年忍者のメンバーさん達も私たちが付き合っていることを知っていて。



尚大が私の事を呼んでいたことだって、別に気づいてなかった訳じゃないけれど



私が他のメンバーさんたちと話していると、すぐにむすってなる尚大があまりにも可愛かったから



皆でちょっと、からかっただけ。笑




「むぅっ、またそうやって皆で俺のこと…。あなたは、誰の彼女なんだっけ?」



『そんなの、尚大に決まってるじゃんっ!』



「だったら、俺のことからかうのも、他のメンバーと仲良くするのも禁止!!」



『えー!なんで!!可愛い尚大もみたいし、私だって忍者の皆と仲良くしたいっ!!』



「ダーメ。じゃないと俺…」



『…っ!、ひゃっ!尚大…っ!』




突然、私の首筋に顔を埋める尚大。



ふわふわとした、尚大の髪が当たって少しくすぐったい。



なんて、そう思ったのも束の間。



首筋にチクッと、痛みが走って。




「ふふ、出来た。笑」



『…尚大のバカっ。ここじゃ隠せないじゃんっ。』



「隠さなくていーの!あなたは、俺のって印なんだから。」



『だからって!!こんなの、他の人に見られたら絶対…っ!?…んっ、。』




少し文句を言えば、そんな私の言葉を封じるように



そっと、優しくキスをされて。




「よしっ!…じゃあ、そろそろ戻ろっか!」




なんて、まるで何事もなかったかのように



そう言いながら、私に微笑みかけてくる尚大。



そんな尚大の笑顔は、やっぱり凄く可愛いくて。



だけど…



「あっ!そうだ、あなた。俺をからかった罰。今日は、覚悟しておいてね?」



『…っ!?』




ちょっとした事ですぐに拗ねちゃうような、可愛い彼氏。



だけど、そんな彼のほうが



どうやら、一枚上手らしい。







_____________________________________________




リクエストありがとうございました🍀






プリ小説オーディオドラマ