第163話

嘘の特別を1人だけ(アルハイゼン)
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2023/01/18 02:34
理解が出来ない状況


私は今それを体験している
あなた

…あの…アルハイゼンさん?

アルハイゼン
なんだ
私より広い胸板


腹部に回る大きな手


腹筋がすごすぎて何もしてなくても凹凸を感じる
あなた

寒いんだったら厚着すれば

アルハイゼン
君で十分だ
動くことも許されず

時々首にかかる吐息に耐えながら




私は彼のぬいぐるみとして膝の上に乗っていた
あなた

何故

アルハイゼン
うるさい
あなた

急に持ち上げられてぬいぐるみにされた

アルハイゼン
そうだが
この男は酷いことをしてくれたものだ



午前中用事がないからってぼーっとしてて

お菓子でも作ろうか、なんて思った矢先これ
アルハイゼン
本が読めない
たしかに今日は少し寒くて


でも上着を着れば何とかやり過ごせる気温なのに
あなた

あんたバカなの?

アルハイゼン
余計なお世話だ
こいつは私で暖を取る



なぜ
アルハイゼン
君が暇そうだったから構ってあげている
あなた

暇じゃない

アルハイゼン
じゃあ何か予定でも?
あなた

……、…………、

むかつく



でも、そういう気がない男に抱きしめられても

なんにも嬉しくない
あなた

…本読まないで

とりあえずこいつを、私好みの椅子に仕上げよう
アルハイゼン
わかった
目の前に広がる意味がわからない本を閉じさせる


見てるだけで頭がクラクラする
あなた

足組まないで、不安定

アルハイゼン
はい
軽々私を持ち上げて、足を下ろす彼



マジで筋肉どうなってんの
あなた

もうちょっと背中倒して

アルハイゼン
…俺にリラックスしろと?
あなた

私がするために必要なのよ

次に、綺麗に伸びた彼の背中をソファに押し付ける


態度はさておき座り方は模範的で

到底私が好きな椅子では無い
あなた

はー…

アルハイゼン
これだと本が読めない
あなた

いいの、読めなくて

やっと力が抜けた私は彼の腹に背を押し付ける



この男に安心感を抱く私は少し狂っているのか
あなた

椅子ハイゼンだ

アルハイゼン
名前で遊ぶな
あなた

じゃあ下ろしなさいよ

彼の手は私のお腹に回ったまま



それだけじゃなく、時々撫でてくるその指が

なんとも言えない感情を引き出す
あなた

カーヴェが帰ってきちゃう

アルハイゼン
別に悪いことはしていない
あなた

僕も椅子になるって言ってこない?

少し笑う私に呆れ声のアルハイゼン


顔を見なければ話せることに気づいてしまった
アルハイゼン
君はあいつをなんだと思っているんだ…
あなた

…犬

アルハイゼン
犬のように忠順では無い
あなた

たしかに

こんな雑談、いつも本を読んでいる彼とは出来ず


今日は少し特別な気分
あなた

ねぇアルハイゼン

アルハイゼン
なにか?
あなた

教令院の女の子もぬいぐるみにするの?

私は彼の手を解しながら聞いてみる



私の手を隠してしまいそうなほど大きく見える手は


なかなか私の上から退くことはない
アルハイゼン
…俺がそんなことをする人間に思えるのか
あなた

え、

アルハイゼン
君だけだ、と言ったらどうする?
私の思考が固まる


というか、体全部が石になった気分だ



こいつは何を言っているんだ?
あなた

…頭の良い返し文句、

アルハイゼン
は?
私はとにかく冷静を装うように息を飲む
あなた

別に隠さなくてもいいのよ

アルハイゼン
あなた、
あなた

正直に言えばいいじゃない

私だけ


なんて自惚れたこと考えずに


私は彼の腕から抜け出す
あなた

ありがと、暖かかった

アルハイゼン
…いや、俺が
あなた

またぬいぐるみにしてよ

スっと冷めた感情は、きっと友情で



無理やり勘違いをしないと

私はこれからどうしようもないから
カーヴェ
ただいまあなた、
あなた

おかえりカーヴェ

カーヴェ
顔が赤いけど大丈夫か?
あなた

気のせいだよ

玄関で会ったカーヴェと入れ違いで

私は家を出る



今日は少し、特別に浸りたい







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どうも、お茶です🍵

アルハイゼン祈願です。まあ確定天井まで10連なんですけどね‼️すり抜けまくりました‼️
お迎えは夜します。アプリのアップデートを死ぬほど忘れていました。皆様も頑張ってください〜❤️

🍵お粗末さまでした🍵

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