玄関の先にいたのは
大親友のリサだった
リサの笑顔は恐怖そのものだった
だが、いつもとなにか違う
焦点が少しずれている
リサの体になにが起きたんだ?
今の私には正しい判断ができず
そう冷たく言い放ち
ドアを閉めた
その後も
ドアをドンドン叩いてきたり
インターホンを鳴らして脅してきた
サナ達に助けを求めようか迷った
だけど、リサはヤンデレ、興奮もしている
ヒト一人なんていとも簡単に殺せるだろう
助けを呼んだら必ず被害者がでる状況
そんな中で力の弱い女の子を呼んだら確実に死ぬ
だから今はとにかくリサの脅しに耐えるしかないのだ
どうやらリサが落ち着いたみたいだ
一応確認のため、というか、単に気になるから
玄関ののぞき穴から外を見てみた
そこには既にリサの姿が無かった
恐らく他の家に行ったのではなく
自分の家に帰ったのだろう
とりあえず一段落だ
一気に集中力が切れたからなのか
いきなり睡魔が襲ってきた
私はそのまま倒れるように眠った
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!