俺は生まれつき星涙病だ
だから感情なんていうものをあまりよく知らなかったんだ
しかも俺は"泣き虫"だったから感情を無くすのが早くて
物心ついた時には
感情の3\2を失っていた
そんな俺を心配した両親が
俺に少しでも感情に触れて欲しくて演技を習わせてくれた
一向に効果は現れないけど…
でも生活する時にはとても役立った
そんな俺は中学生になるまで1回も感情に触れることはなく演技だけで過ごしてきたんだ
そう
中学生になるまでは____
俺は君と出会ってみんなと出会って感情というものに生まれて初めて触れたんだ
俺の中に感情があるなんて全然思わなかったんだ
たかちゃんといると胸がドキドキしてたかちゃんのことばっかり考えちゃう
たかちゃんが他の子と楽しそーに話しているとなんだかモヤモヤして
たかちゃんが休むとほんとに心配になって…。
こんな感情なんて経験しないと思ってた…最も付き合えるだなんて思いもしなかったし…
俺はみんなと出会って
たくさん嬉しいって楽しいって思うようになった
みんなが感情を俺にくれたんだ
でもせっかく貰ったのに…
その感情がまた俺を泣き虫にする
前よりも確実に涙を流すことが多くなった
だからいっぱい感情を失ってしまったんだ
そして
俺に残されたのはあと5つの感情だけ
あと5つを失えば
俺は死ぬ
みんなと生活できなくなる
この楽しい時間を奪われることになる
俺がいなくなったらみんなを悲しませることになる
もしかしたら今度はたかちゃんがこの病に縛られてしまうかもしれない
それだけは絶対避けたい
だから俺はたかちゃんからみんなから離れなきゃ
みんなが幸せに暮らすために
俺が
残りの感情
恋心
優しさ
楽しさ
苦しさ
?????
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。