第5話

4話
1,211
2021/06/18 15:41
気づいたら夜の1時を過ぎていた。

こんなにも初めて出会った人と話が途切れず話せた事は"久しぶり"かもしれない。
佐藤 黒斗
家まで送ろうか?
中学生でもこんな時間に外にいたら流石に家まで送ってあげた方がいいよな。

いや、そもそもこんな時間に出歩いていても親は心配しないのだろうか。
涼風 宙
ううん、大丈夫!
……本当かな?
佐藤 黒斗
じゃあバイバイ〜!
話している時間楽しかったな。

そう思いながら宙に手を振った。
涼風 宙
あっ!ちょっと待って。
突然、宙が僕を引き止める。
佐藤 黒斗
何?
もう、僕に用なんて無いはずだ。
涼風 宙
あのさ、明日もまたここで話そ!
小説面白かったから出来上がったら読ませてよ。
たった数時間話しただけの仲。

それだけの関係なのに何故かまた宙と話せると思うととても嬉しかった。
佐藤 黒斗
うん。
じゃあまた今日と同じ時間に来るね。
ぎこちなかったけど宙ににっこりと笑ってみせた。
涼風 宙
うん。また明日〜!
バイバイと2人手を振ってサヨナラを交わす。

君がきらめく星達のせいで髪や目が青く染まっているように見えた。

宙からは、僕は眩しく光る月の色で全身が染まっているように見えているだろう。
佐藤 黒斗
(明日の11時か。)
宙と話す事が待ち遠しい。

また鈍い金属の音を奏でながら階段を降りていく。

廃ビルの上から見る東京の景色といつもの視点から見る東京はなんだか違う気がして。

佐藤 黒斗
(でもそれは宙と一緒に見た景色だったから。かもしれないけれど。)
何となく、歩いていたら家に着いていた。

今までだったら、鍵を開けて乱暴にバックを置いてベットに飛び込んでいた。
だけど今はやりたい事があるから。

急いで作業用のパソコンを開いてログインする。

書き途中の作品のキャラクターの設定のページを開いて、主人公の名前を涼風 宙すずがぜ ひろに。

サブ主人公の名前を佐藤 黒斗さとう くろとに変更してEnterキーを押した。

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