第6話

5話
1,074
2021/06/20 15:43
佐藤 黒斗
うわ……眩し……
目を開くと真っ白い壁が目に入ってくる。

佐藤 黒斗
帰って来てからの記憶が無い……
多分、帰って来てからすぐに寝てしまったみたいだ。

残っているのは昨日とは違う小説のキャラ設定の画面。
佐藤 黒斗
そういえば変な夢を、見てたような気がする。
僕は小さな5歳ぐらいの男の子と一緒にいて、いっぱい話して、いっぱい笑いあっている夢。

その男の子はそらがキラッキラに笑っているみたいな笑顔で僕を導いてくれるんだ。

まるでその子は僕の理想そのものみたいで。
佐藤 黒斗
……なんで僕、こんな夢見てたんだろ。
自分でもなんでこんな夢見ているか分からない。

でも、現実より夢の方が幸せだったな。

なんて思ってしまった。
佐藤 黒斗
そういえば、小説の締切ヤバいよな。
宙だって小説面白いって言ってくれたんだから。

はやめに小説の指定の場所まで書き終わらないと。

それに、どうせなら楽しんで読んでもらえる人に読んで欲しい。

これはちょっとした願い。
佐藤 黒斗
話の続き、どうしようかな。
寝間着からいつもの服に着替えて朝ごはんのしたくをする。

ご飯を作っている時も、ずっとこんな感じで小説の事ばかり考えてしまう。

それが小説家としては一般的なのかは分からないけど。
佐藤 黒斗
わぁ、美味しそ。
白いお皿にトーストと出来上がったばっかりの卵焼きをのっけた。

一人暮らしだからご飯は全部一人で作っている。

家事は出来る男子だったし別にご飯ぐらいで困る事は無いけれど。
佐藤 黒斗
いただきます。
パチンッと手を合わせた。

そして、黙々とご飯を食べる。

佐藤 黒斗
いつもより上手くできたな……
ほんの少しだけど、いつもより美味しい気がする。
佐藤 黒斗
この甘さ丁度いいな……
次からはこの甘さで卵焼き作ろ。

なんて事をボソボソと口にしながら食べる。
佐藤 黒斗
ごちそうさま。
手を合わせてそう言った。

すぐさま食器を持ってキッチンの方に向かう。

スポンジに泡をつけてお皿を洗う。

洗い終わったら食洗機に入れてスイッチを押した。
佐藤 黒斗
ふぅ〜これから作業するか……
ググッと背伸びをして作業部屋に向かう。

作業部屋は主に大きなテーブルにパソコンが3つ並んでて、座るようの椅子が1つ、部屋の隅っこに観葉植物が置いてある。
ガタンと音を出しながら椅子に座った。

パソコンをつけて書き途中の小説の画面を開く。

何かいいアイディアが思いついた訳では無いけれどただひたすらキーボードを叩き続けた。
佐藤 黒斗
よし。
締切の部分までは乗り切った〜!
窓の外を見ればもう夕焼け空。

僕は、専属の編集者の人に出来上がった小説を送った。

プリ小説オーディオドラマ