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第25話

# 24
それから俺は家まで徒歩で帰っている。


隼とも別れて、1人。
佐野玲於
はぁ…
口から出るため息は徐々に白くなる。


あなたのことを考えるとため息はいつも


楽しみ とか 嬉しい って言う感情の時だけに出るため息だったのに。


今、悲しみ と 悔しい が入り混じった俺の嫌いなため息。
携帯を取り出して見る通知。
【1件の通知】
画面をタップ。


そこには
あなた「ごめん、無事帰れましたか?」
なにこれ。
玲於「無事です。」
そしたら、すぐ返信きた。
あなた「そっか。」
こういう心配してくれることも俺は好き。


誰にでも優しいからつい、追い込む癖があるから


ずっと、気にしてた。
玲於「なんかあるの」
あなた「ちょっと話しときたくて。」
どうせ、亜嵐クンの事だよね。


付き合いました


って。








あなた「私、亜嵐クンと付き合うことになったの。」









ほら。


俺、天才かも。


予言した。
玲於「知ってる。」
あなた「え!?」
玲於「隼に教えて貰った。」
あなた「隼口軽くないって思ってた。」
玲於「なぁ。」
聞きたいこと。
一つだけ。


聞かせて…?


もう、終わりにするから。












玲於「本当に亜嵐クンのこと好きなの?」










これで、うん そうだよ。


って来たら諦める。


それ以外、否定したら諦めない。












あなた「そうだよ笑」











そっか…


諦めろ。


俺。
玲於「幸せにな。」
あなた「うん。」
ここでLINEは途絶えた。
もう、俺が入る隙間はない。


1mmも。
佐野玲於
あ ~ 。やべ。
2度目の男泣き。


あん時、あなたの気持ちに応えてたら


こんな未来じゃなかったのかもしれない。
壁にもたれかかって座る。


未だに、あなたへのプレゼントは手に持ったままで


離せない。
買ってあげたのはロゴのいっぱい入ったジージャン。


実は、これ俺と同じもの。


こっそり揃えたくてつい買ってしまった。
これ、どうしよ。


家に2個あったら思い出すし…


亜嵐クンとあなたにあげよっかな。


2人で着て って。
もたれかかっていた壁から立ち上がって


クローゼットへ足を運ぶ。
その中から俺のジージャンと買ってあげた


ジージャンをベッドに並べて眺める。
佐野玲於
これ、お気に入りだったのにな笑
苦笑いで言う。
俺、今相当落ち込んでるよ?


初めてだわ。


こんな虚しくて苦しいモヤモヤした気持ち。
俺のジージャンを袋に入れてあなたのと一緒に


玄関に置いておく。


明日、仕事の時亜嵐クンに渡そう。
いや、その前に。
佐野玲於
好きって言ってねぇ…
ソファに座って頭を抱えた。
佐野玲於
気持ち伝えられてねぇじゃんか。
一人で馬鹿みたいに楽しんで


あなたに彼氏が出来たって言って


一人で悲しんでる。
佐野玲於
伝えねぇと。
明日。


渡すついでに…な。


気持ちだけ伝えてく。
ベッドに入って横向きで目を瞑った。
寝れなかった。
朝になっていてそれも雨。


ほんと、憂鬱。

佐野玲於
はぁ…
朝からこんな気持ちなるなんてな。


いつものように洗面台の鏡を見ると酷い寝癖。
佐野玲於
なっ…!
なんじゃこりゃ。
手で押さえつけても直らない。


俺、ワックスとか最近付けてなかったし…


洗面台の下のドアを開けてみるも


それらしきワックスはないし…
佐野玲於
寝てねぇのになんでこうなるんだ?
髪の毛を触る。


めっちゃ力んでたとか。


水つけても


ドライヤーで直しても


全く直る気配はない。
佐野玲於
くっそ…
もういい。


このまま出勤してやる。


これも一部のお洒落だ って言ってやる。


あなたなんて言うかな。


こんな俺見て…


あ、


意味わかんねぇ。


なんであなたなんだよ笑
佐野玲於
行ってくる…
俺は片手に2つの袋を持って家を後にした。
雨降ってるし…


さっきよりも酷いしよ。


最悪だ。
傘を右手にさして歩く。
電車乗って、俺の会社に到着。


俺ん家、会社から超近い。
だから、職場には必ず俺が最初。


誰一人いない。


朝が嫌いで早起きなんてクソ。って思ってたのに。


なんで遅く行かないかって思う。


自分でも思う。


けど、今まで早く行ってあなたに会いたいって。


早く行ったら何かいい事ありそうで


いつもそうしてた。
佐野玲於
もう、いいのか。
俺、どんなけあなたに浸ってんだよな。


まじきもい。


俺らしくない。
あなたの職場の前で立ち竦んでいると
白濱 亜嵐
玲於…?
1番聞きたくない声。
振り返ると亜嵐クン。
白濱 亜嵐
どうしたの?
佐野玲於
いや、これ。
袋を渡した。
白濱 亜嵐
なにこれ。
佐野玲於
2人で使って。
中身を見ながら


え、これ高いやつやん


って目をよりおっきくして言う亜嵐クン。
白濱 亜嵐
どうしたのこれ。
佐野玲於
同じもの2個も買ってた。
白濱 亜嵐
なら1個玲於のじゃないの?
佐野玲於
もう一個あるから。
嘘ついた。


変な嘘。
白濱 亜嵐
どんな間違えしたんだよ笑
そう笑う亜嵐クン。


俺も、つられて


馬鹿だな って笑う。


これ意外とキツい。


無理して笑うってこんな気持ち。


くっそ辛い。
白濱 亜嵐
ありがと。
佐野玲於
ん。
あ、これ俺からって
言わないでね。
俺は亜嵐クンの側をあとにした。
あ ~ 。


てか、俺今渡して何してんだ。


ついでに言おうと思ってたのにな。
佐野玲於
馬鹿…
自分のデスクに座って頭を抱える。
小森 隼
よっ。
心臓飛び出るかと思った。
小森 隼
死んでるかと思った。
てか、何その頭。
佐野玲於
死んでるから。
話しかけないで。
起きたらこれ。
小森 隼
頭も心も相当病んでるねぇ。
佐野くん。
佐野玲於
病みまくり。
小森 隼
あなたチャンと会った。
隼の顔みた。
小森 隼
なになに笑
佐野玲於
別に…
早いな。


いつもより早いじゃん。


亜嵐クンに合わせたのか?
あ ~ 。


もう、嫌。


なんでこんなにアイツのことで


悩まなきゃいけねぇんだよ。
小森 隼
何かあったら連絡してな。
佐野玲於
ん ~ 。
小森 隼
頑張って。
佐野玲於
ん ~ 。
まともに返事する気にもならない。
恋愛と仕事は別だ。


そう自分に言い聞かせて仕事に取り掛かろうとした。
ちか
佐野さん…
後ろから呼ばれる俺の声。


それは…
佐野玲於
あ、はい。
ちか
大丈夫ですか?
佐野玲於
何が?
ちか
ちょっと辛そうだったので。
そんな態度に出てた?


それは、困った。
佐野玲於
大丈夫。
ちか
そうですか…
この子ってあなたとよくいた子…
佐野玲於
あなたと仲いい子?
その子は目を真ん丸にして


はい!


って返事した。
ちか
覚えてくれてたんだ…
佐野玲於
覚えるも何もいつも一緒にいたから
自然に頭にインプットされた。
ちか
そうですか…!
ちょっと嬉しそうな顔してる。
佐野玲於
何か用?
ちか
え、あ…
佐野玲於
何か分からないことある?
職場違うんだけど…ね笑
ちか
あ、違います。
佐野玲於
なに?
この子って以外と面白い。


いろんな表情する。
ちか
佐野さん、彼女いますか?
どストレートな質問。


今の俺の心にはその言葉はグサッと刺さる。
佐野玲於
いない
ちか
ありがとうございますっ!
勢いよ帰っていった。
なんだったんだ。


面白い子。
ちょっと気持ちが楽になった。


さ、仕事しよっと。