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第34話

# 33
佐野玲於
隼、行こ。
この場に居たくないし
小森 隼
うん
俺は、ふらつく足を立たせて席から離れる。
立った時、頭はファーっと血が落ちていく感覚。


そして、視界は真っ暗に変わった。
佐野玲於
あぶねっ…
下にある机にぶつかる前に


隼は俺を支えてくれていた。
小森 隼
やっぱ、飲みすぎ!
だから言ったじゃん。
佐野玲於
悪い
あなたを見ると凄い心配そうな顔で見てくる。


恥ずかしいとこ見せたわ。
あなた

ちょっと、大丈夫?

こっちに駆け寄ってきたあなたからの


俺好みのいい香り。


香水じゃない、柔軟剤の匂い。


あなたは、わざわざ香水なんか付けたりしないし。
佐野玲於
うん
ささっと、店を出て歩く。
佐野玲於
ごめんな。
小森 隼
なに、謝るなんて。
玲於らしくないじゃん。
佐野玲於
だな。
今日はおかしい。


気持ちが上がったり下がったり


気持ち悪いし、疲れる。
小森 隼
今日は、早く寝て身体休めるんだよ。
佐野玲於
わかってる。
家まで運んでもらい、隼は帰っていった。
俺が呼んだのに、なんか申し訳ない。
時計は8時36分 。


ゆっくり寝れそう。
風呂に駆け込んで洗い流す。


酒の酔いもちょっとずつ冷めていって


頭も回ってきた。
風呂上がり、バスタオルで頭を拭きながら


リビングに座る。
佐野玲於
あ、でもちょっとぼーっとするな…
普通に風邪ひいた…?


おい ~。


またとか、やめろよな。
最近、寝れてなかったしご飯もろくに食べてなかった。
でも最近大きな仕事抱えてるから


休む訳にはいかない。
佐野玲於
寝よ…
立ち上がったら頭はズキズキ痛む。


久しぶりだ。


こんな辛いのは。
ピーンポーン…
佐野玲於
誰だよな…
俺は、そのまま玄関に出ていった。
ガチャ…
佐野玲於
はい…?
あなた

よっ。

あなた!?
佐野玲於
なんでいんだよ。
あなた

玲於、ちょっと様子おかしかったし。

佐野玲於
別に、悪くない。
嘘。


絶不調。
佐野玲於
じゃ俺寝るから。
ドアを閉めようとした時。
あなた

お邪魔します。

勝手にあなたが乗り込んできた。
佐野玲於
おいっ…!
大声出すのも辛い。
あなた

あ ~ あ 。
散らかしてさ、絶対
ご飯食べてないでしょ。

佐野玲於
まあ…
あなた

だから、体調崩すんだよ。

佐野玲於
別に、体調万全…
頭が痛くて、その場に倒れ込んだ。
あなた

玲於!?
玲於!

必死に俺の肩を揺らすあなたが目の前に。
けど、俺の意識は遠くなる一方。
白い部屋に1人俺。


向こうに、俺に微笑む女性の姿。


どこかで見たことのある顔で俺の


大切な人。


俺に微笑んだら後ろを向いて


歩き出す。












嫌だ。














行くな…














やめろ。

















やめろっ…!!!










佐野玲於
はっ…!!!
目を覚ますと布団の中で。
あなた

玲於!
大丈夫?

佐野玲於
あなた…
あなた

魘されてた…

今、誰かがどこかに消えてしまう夢を見た。


誰かが…


どこかへ…
あなた
俺は、目の前にいるあなたをギュッと抱き締めた。
佐野玲於
何処にも行くなよ…
あなた

え…?

ああ。


ダメだ。


こんなに近くにいると帰したくなくなる。
佐野玲於
わり…
お前、亜嵐クンは…
あなた

玲於のこと話してたら
行ってあげなって。

なに、俺のこと話してたって…


普通彼氏の前でほかの男の話すんのか?


女は。


俺だったら話されたすっげえ、不機嫌になるだろう。


そんな顔で笑うなよ。


調子が狂う…


熱出る…














佐野玲於
俺、お前のこと好きだわ。


















あなたは困った顔する。


前も同じ。


こういう顔して俺を見ていた。
あなた

私には、亜嵐クンが…

佐野玲於
別に、それでいい。
俺はそんなあなたが好きだから。
俺に振り向いてもらえるまで
絶対諦めねぇからよ。
もう決めた。


絶対、諦めない。
あなた

玲於らしくないじゃん

佐野玲於
なにが
あなた

諦めないとか…
今までに聞いたことないから。

佐野玲於
これから変わるから。
一晩も経てば熱も下がってる…はず…
ぴぴぴぴぴ…
37.9…
佐野玲於
よし、会社…
あなた

馬鹿じゃないの。
37.9!
熱あるの!玲於は!

起き上がろうとした俺の肩を押しだおす。
ちょっとダルい感じはする…
佐野玲於
最悪…
あなた

何が?

佐野玲於
また、あなたに貸し作った。
あなた

そうだね

佐野玲於
こぇーな。
あなた

何してもらおう。

佐野玲於
金だけはやめろ。
あなた

そんな事はしないよ。

俺の積み重なった洗濯物を畳みながら言う。
佐野玲於
お前、横顔美人
そう呟いたつもりがあなたまで届いていて


顔を真っ赤に染めたいた。
あなた

び、病人は静かに寝てなさい!

照れて俺のTシャツで顔を隠す。


こんなのが毎日見れたらどれだけ幸せだろうか。
佐野玲於
おまえ、仕事は?
あなた

今日たまたま休みだったから。

佐野玲於
なんだ、指定休日
とってくれたのかと思った。
あなた

そんな優しくないよ。私は。

ふふってニヤって…


かわいい。


熱上がる。
佐野玲於
熱上がった…
布団を頭まで被る。
あなた

安静にしてたら治るから。
ちゃんと薬飲んでね!

ちょっとドタドタ聞こえて布団から顔出すと


あなたは鞄を持ってうろついていた。
佐野玲於
どっか行くの、
あなた

あ、買い物。

佐野玲於
別に行かなくていい…
俺、今凄い砂糖だよ。


滅多に見られないよ…
あなた

なんで?

あなたが俺の横に立膝で見てくる。
佐野玲於
行って欲しくない。
あなた

なに、甘えん坊とか玲於は似合わないよ

佐野玲於
本気で言ってるから。
あなたの目を見て言うと


どんどん顔は赤くなって目を逸らす。
あなた

わかったわかった…
今日は居るから。

良かった…


でも、こいつには亜嵐クンがいる。


俺だけの都合で居座らせるには──────
佐野玲於
あなた、俺のことし終わったら
帰っていいからな。
あなた

なになに、急に塩?
さっき玲於が言ったんじゃん。
行って欲しくないって

佐野玲於
ごめん、撤回…
お前に亜嵐クンがいることを忘れてた。
だからダメだろ…?
そういうの。
あ ~。


こんな時に亜嵐クンさえ、あなたの


彼氏じゃなかったら…!
あなた

でも、亜嵐クンには伝えるから…!

佐野玲於
帰った方がいい。
亜嵐クン、ああ見えて凄い心配性。
あなたは俯いて浮かない顔。


俺だって帰したくない。


出来ればずっと ずっとそばにいて欲しい。
あなた

そっか。
なら、帰るね。

佐野玲於
おう…
あなた

ちゃんと安静にね。

ちゃんとそこだけは心配してくれる。
佐野玲於
さんきゅ
あなたが俺から見えなくたった時。


俺は、あることを思い出した。
佐野玲於
あ!!!
ドタドタ…と俺の方向へ走ってくる。
あなた

なにっ…!

佐野玲於
ゲーム…
あなた

は?

佐野玲於
新作ゲーム…
買ってない…
あなた

んだから、私にと?

佐野玲於
はい…
あなた

別にいいけど…
お金返してよね?

佐野玲於
俺の財布持って行って。
あなた

割引券も持ってけばいいんだよね?

佐野玲於
俺のジャケットのポケットの中。
はいはい って面倒くさがりながらも


ちゃんと探して取り出す。
あなた

行ってきます!

佐野玲於
よろしく。
あなた

はーい

玄関の開く音が聞こえてそのあと閉まる音。


今、俺は一人になった。
部屋は しーん と静まり返って


聞こえるのは…
佐野玲於
あいつ…
テレビが付けっぱなし。
電気代ろくになんねぇから。


俺なんか特に電気、テレビ、暖房 付けっぱなしで


寝てしまうことだってあるから。


すごい、電気代だった。


それから節約に心がけてきた。
テレビを消しに行ってまたベッドに入る。
なんか、新鮮だ。


一人暮らしでは絶対味わうことの出来ない


体験をいました。
いつも感じてたい…


そこから、30分。
佐野玲於
遅。
仕方なく、俺は電話をかけた。
~ ♪
何コールかしたけど全く出る気配はない。
佐野玲於
何してんだ…?
一旦切った。


なんかあった…か?


心配になってきた。
すると、その心配が電話に現れた。
~ ♪
表示には
佐野玲於
総合病院…!?
直ぐに出た。
佐野玲於
もしもし
病院
もしもし、佐野玲於 さんで
よろしかったでしょうか?
佐野玲於
はい?
病院
今ですね、牧村あなたさんが
事故に逢いまして、総合病院に
搬送されてます。
は…?


事故…?
佐野玲於
あなたは、大丈夫なんですか!?
病院
強く頭を打ったのか
今は、意識がない様子で
大変危険な状態です。
今から行きます って言って電話を切った。


熱なんかどうだっていい。


今すぐに行かないと。


死ぬなよ…!!!


絶対に。
俺は、ジャケットを手に持って勢いよくドアを開けた。
道でタクシーを拾い病院に向かう。
ソワソワして手足の震えも止まらない。


もう、嫌だ。


人が死ぬのは嫌だ。


俺のせいで死んでいくのは…


絶対、やめてくれ…!!!
そう、心で唱えるばかり。
総合病院に着き、お金は家にあった


貯めていたお金を適当に持ってきてそれを出した。
急げ──────