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第23話

# 22
佐野玲於
お前、どうして…
あ ~ 。


私の恋は儚く散った。


二度目の失恋。
あなた

私、帰るね。

振り返って家に向かう。


玲於のあの顔を思い出しちゃうと涙でちゃうから。


もう、思い出さない!


うん。


それでいいんだ。
私、ちょっと期待しちゃって…


玲於ならこんなことでも追いかけてきてくれて


なにか一言言ってくれないかなって。


私の安心できることなにか言ってくれるって。
あなた

来ないし…!

その途端、今までピンピンに張っていた糸が


急に切れたように涙が溢れてくる。
あなた

ううっ…
なんで来てくれないの…!

その場にしゃがみこんで泣いた。


人目なんて気にしている暇などなく。
本当に終わっちゃう…?


これからもっともっと仲良くできるって


思ってたのにさ。


こんな形で終わっちゃった。


神様のお告げた。


もう、玲於は好きなっちゃいけないんだって。


再開したのは偶然の出来事で。


私と玲於を結びつけようなんてこれっぽっちも


思ってなくて、私に玲於に恋をすると苦しむって


ことを知らせるため。


私は、それに気づかず玲於のいる一本道を


ただひたすら走ってもう少しで玲於の背中に


辿り着けるとこだったけど


その前に落とし穴があって玲於には近づけなかった。


そんな人生。
あなた

れぉ…!

小さい声でそう叫んだ。


すると、私の肩を触れる人。


玲於…!?
白濱 亜嵐
あなたチャン…
あなた

え…

白濱 亜嵐
やっぱり。
亜嵐クンだった。
あなた

亜嵐クン…

白濱 亜嵐
ごめんね、玲於じゃなくて…
あなた

なんでそれを…

白濱 亜嵐
たまたま駅前のコンビニ寄ろうとして
あなたチャンの方向に戻ったら…ね。
あなた

あ ~ 。
そうなんです。

思い出さないって決めたのに。


やっぱり思い出して…


目から涙が一筋こぼれる。
あなた

私、もう駄目なんですかね。

白濱 亜嵐
あなた

玲於を好きになっちゃいけないんですか?

世の中人を好きになって


その想いが実って笑顔になっていく人もいる。


逆にその想いが届かず実らず…


笑顔じゃなくなる人だっている。


私は、その " 届かず実らず " の方。
白濱 亜嵐
人を好きになるのに駄目とかいいとか
ないから自分の好きなように
おもえばいいんだよ。
亜嵐クンは私と目線を合わせて言ってくれる。


いっそ、亜嵐クンのこと好きになりたい。


玲於なんか忘れたい。
あなた

亜嵐クンはなんでそんなに優しいんですか?

もう、目もパンパンに腫れて最悪な状況。
白濱 亜嵐
俺は優しくないよ。
あなた

え?

白濱 亜嵐
だって好きな人と他の男と喋ってるの見てると何か、あの二人の間で起こらないかなって思うから。
あなた

片想いって辛いですよね。

白濱 亜嵐
だから、俺は好きな子にしか優しくしない。
あなた

え?

白濱 亜嵐
あなたチャンしか優しくなんてしない。
あなた

亜嵐…クン…?

白濱 亜嵐
俺、あなたチャンが好きだ。
今、何が起こっているかわからない。


亜嵐クンが…?


私のこと…すき…?
あなた

え、それ、嘘ですか?

白濱 亜嵐
嘘なんかじゃない。
亜嵐クンの大きな瞳で私を見つめる。
白濱 亜嵐
俺じゃだめ…?
あなた

ダメって言うか…

亜嵐クンのこと好きになりたい


なんて


言った。


けど、いざとなるとそんな曖昧な判断で


亜嵐クンの気持ち弄んでいいかと考えると


そうじゃなくなる。
あなた

私、亜嵐クンのこと好きになりたい。って
さっき思ってました。

白濱 亜嵐
うん
あなた

けどそれは、私の勝手な都合であって
最低な事を考えていたからで…

白濱 亜嵐
なに?
そんなことでも優しく聞いてくる亜嵐クンに


胸が苦しくなる。
あなた

玲於のこと忘れたい。って思って
亜嵐クンのこと好きになったら玲於も
忘れられるかもって思ったんです。

ほんと、最低な私。


飽きられちゃう。
白濱 亜嵐
いいよ。
それでも。
あなた

へ…?

白濱 亜嵐
あなたチャンが今はそういう気持ちなら
そういう気待ちで俺と接してくれればいいから。
あなた

でも…

白濱 亜嵐
そこから、俺のこと好きになって欲しい。
亜嵐クンの優しさに涙。
あなた

いいんですか?

白濱 亜嵐
うん…!
玲於を忘れるため…


今から亜嵐クンを利用しようとしている。


そんな、自分の情けなさ。
あなた

頑張って亜嵐クンのこと向きます!
亜嵐クンを好きになれるように!
こんな私で良ければ…!

白濱 亜嵐
付き合ってください。
笑顔で私に言ってきた。
あなた

はい…

よっしゃ って言いながら私を包み込む。


それは、ココ最近感じていなかった思いで


心が底から暖かく感じる。
白濱 亜嵐
あなたチャン、好きだよ。
あなた

うん…

ここは、私も っていう流れなのに。


私はまだ本当の気持ちでは無いから言わなかった。
白濱 亜嵐
家まで送っていく。
あなた

ありがとうございます。

私は、亜嵐クンの大きくて包み込むような手に


握られて、歩く。
白濱 亜嵐
敬語じゃなくていいから。
あなた

あ、うん…

慣れないなぁ。
白濱 亜嵐
うん…!
たわいもない会話で私の家に着いた。
あなた

ここだから。
ありがとう、亜嵐クン。

白濱 亜嵐
いいよ。
ゆっくり休んでね。
あなた

うん。

亜嵐クンを見送る。


玄関に入って一呼吸。


私、亜嵐クンと付き合ったんだ…
このこと会社にバレたら終わり…?


亜嵐クンもモテるし。


いろんな女性から痛い視線を受ける…
あなた「亜嵐クン、この事会社に内緒にしましょ!」
3分後。
亜嵐「あ、笑」
あなた「え…」
亜嵐「ごめん、隼に言っちゃった…」
あなた「隼か!隼ならいっか?」
亜嵐「ごめん!ちょっと嬉しくなってつい…」
嬉しくて友達に報告しちゃうんだ…!


なにそれ、めっちゃかわいい。
亜嵐「会社にはバレない程度に頑張ろうね。」
あなた「うん!」
LINEを閉じるともう、日付を越えそうな時間。
あなた

寝なきゃな…

鏡の前に座って腫れた目を触る。
この目は玲於の為に泣いて腫れた目。


次泣くのは亜嵐クンの為にしか泣かない。


決めた。
玲於、ばいばい。
その日はモヤモヤした気持ちで眠りついた。