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第44話

# 42
あなた

玲於クン、頑張ろうね!

佐野玲於
おう
そう、今日は延期になったプレゼン当日。


このプレゼンは会社と大きく関わりのある大切な


会社とのプレゼン。


失敗させるにはいけないの。
あなた

緊張するな…

清楚に整えてきた前髪を整えながらトイレの鏡で言う。
私、本番に弱いからな…
ちか
あ、あなた!
あなた

ちか!

ちか
今日だね、頑張って!
あなた

ありがとう!

ちかが玲於の事が好きって言われた時から


随分経って、もうそんなに気にしてない。
あなた

行ってくるね。

行ってらっしゃい って笑顔で言ってくれた。
佐野玲於
おそ。
あなた

ごめん!

駆け寄ると私と並んで取引先に向かう。
やっぱ、外は寒くて今にでも雪が降りそうな空。
あなた

玲於クン緊張しないの?

佐野玲於
俺は別に喋んないから。
ただ、あなたの付き添い。
あなた

あ、そっか。
私が全部やるんだ。

佐野玲於
何言ってんだよ笑
ミスったら助けてやんね って言ってくる!


でも、それは冗談って分かってる。


玲於クン、そんな悪いことしないから。
あなた

頑張ろ…

佐野玲於
目で合図しろ。
そしたらすぐ駆け付けるから。
ほらね。


優しいんだよ。


玲於クンは。
あなた

ありがとう。

そして、取引先に着いて上司に頭を下げて


部屋に移動する。
取引先
それでは、よろしくお願いします。
あなた

…はいっ…!

後ろにはスクリーンが垂れていてここに


資料などが流れる。
あなた

それでは始めさせていただきます。

後ろに座っている玲於クンと目が合う。
玲於クンは優しく頷いてくれて…
あなた

牧村あなたです。
今日、お伝えする商品は…

よしよし…


順調。


このまま。


練習通り。
そこに、一つだけ質問があった。
取引先
あれ、そのデザインどこかで…
あなた

え?

スクリーンに映し出されているのは


デザイン画。


そのまま、私のパッケージに採用された。
あなた

このデザインですか、

取引先
あ、これは…!
その取引先の方は後ろを向いて玲於クンを指さす。
取引先
君だね?
私の1番気に入ったデザインだ。
あなた

え?

佐野玲於
まぁ…はい。
玲於クンのデザインだったの…?


私、てっきり玲於クンのリーダーのデザインかと…
取引先
もちろん、この商品とのコラボ計画は
勧めさせてもらうよ!
あなた

あ、ありがとうございます!

良かったよ って握手した。
良かった。


何も失敗しなくて…
佐野玲於
お疲れ。
近くの公園に寄ってベンチに座っていると


玲於クンが差し出してきた。
あなた

オレンジジュース?

佐野玲於
これしかいいの無かった。
今日は缶のオレンジジュース。


私は、オレンジジュースに恵まれてるのかな。
あなた

ありがとう。

甘酸っぱいオレンジの酸味が口に広がる。
佐野玲於
俺のおかげだな。
あなた

そうだよ!
玲於クンいつのまにあんな凄い
デザイン考えてたの!?

佐野玲於
あれは、お前が…
あなた

え?

聞き返すと


やっぱいい って話そうとしない。


最近、こういうの多いな。
もしかして、やっぱ私と玲於クンは


友達の中でも深い関係だったのかもしれない。
あなた

玲於クン、ごめんね。
私、記憶なくしてさ。

佐野玲於
いや別に…
あなた

玲於クン、人目見た時凄い
カッコイイ人だなって思ったんだ。
話してみても優しくて誰からも
憧れられる存在なんだって。
だんだん、意識してる私がいて…
けど、私には亜嵐クンがいるから…って

どんどん言葉が喉から生まれる。
佐野玲於
ふふ…前と一緒。
あなた

え?

佐野玲於
俺は昔からずっとあなたが好き。
寒い空間の中、より顔を赤らめて言う。
佐野玲於
けど、必ずあなたが俺を好きになる時は
亜嵐クンとかがいて。
絶対俺とは結ばれない位置にいる。
あなた

そうなの…

佐野玲於
ちゃんと今を大切にしなきゃな。
そう言うと立ち上がって歩いていってしまう。
置いてかないで…
私も玲於クンのあとをついて行こうとしたとき。


頭がズキっと痛くなる。
その途端、今の頭にはなかった思い出みたいなのが


どんどん流れていく。
高校の頃私は、玲於クンに告白した。


けど、断られて喋れなくなった。



玲於クンと高校ぶりに再開してそれから


会社が一緒になってよく飲むようになった。



玲於クンが…熱を出した。


だから、、私…お見舞いに…!
あなた

あ…

玲於クンの思い出って…このこと…
あなた

れぉ…

玲於クンの足は止まらず歩いている。


もう、見えなくなっちゃう…
あなた

玲於…!

私の大好きな人。


やっと思い出せた。


ずっとずっと、片思いしてて


実らない恋の相手。


不気味で、意地悪で、ドSで、短期で…


でも、優しくて。


誰よりも人のことをみている玲於が…好き。
あなた

行かなきゃ…

私は、玲於の所じゃなくて亜嵐クンの元へと走った。