亜嵐クンからはもう会っていいって。
反省してるからいいよ って言われた。
面談は終わって
二人でカフェに寄った。
さっきまでずっとあなたから質問攻め。
あなたからして俺は、初対面。
知りたがるのは当然のこと。
けど、ここまで聞かれるとは思ってもなかった。
なんて言ったって嬉しい…
前みたいにあなたが俺に笑顔を見せてくれたから。
復帰って言ったって俺とあなたは階違うし…
また、肩にドンッとおもりが乗ったみたい。
最近、体調ばっか壊してる…のは事実。
あなたの仕事の方はほぼ言うことは決まってるし
心配することは特にはない。
他愛もない会話してると後ろの女性達が
くすくす笑ってるんですけど。
俺らは会計を済ませて外に出る。
わぁ。
やっぱ、冷えてるわ。
寒い。
ブツブツ一人で言う隼。
決めたんだ。
諦めないって。
神様がどう言おうと俺は、決めた道を
一直線でやりこなす。
それから、俺らは解散。
家に着いてカバンを降ろし、ソファに座る。
はぁ って一呼吸付き、携帯を見ると
2件の通知。
【 あなた : 帰れた?】
【 あなた : 聞きたいことあるんだけど。】
【なに?】
【あなた : 私、玲於クンと一緒の会社なの?】
【そう。】
そこから、返信はなくて既読が着いたまま。
わ、これキツっ。
既読無視とかどうだっていいって思って
隼に良くしてたわ。
そしたら、既読無視反対 とか怒ってきて
こんな気持ちって思ったけど、俺は相手は好きな奴。
隼とは違う心を持ってるはず。
俺にはきつくて仕方が無い。
念じて念じて…!
【あなた : 検査で明日には完全復帰できます。】
思ってたのとは違う返信でもどこかホットした。
その日は疲れてそのまま寝てしまった。
・
完璧な寝坊。
終わった。
俺は、いつもより倍で準備して会社に向かった。
入口には警備員が立っていて大きな欠伸をする。
カードをかざしてエレベーターに乗り込む。
自分の階を押すのに精一杯で
転けそうに乗り込んできたあなたが隣にいる。
あなたは俺の顔見るやら
って叫ぶ。
あ ~ 。
嬉しい。
こんな時がまさかこんな早く来るなんて…
前髪を触って払う。
やべ。
見すぎたかなを
そう言うだけで精一杯。
密室の中二人きりって結構キツいから。
それは、俺のせいだから って言おうとしたけど
あなたは何も覚えてない。
俺との記憶は。
あ ~ 。
俺、頑張った。
心臓飛び出そう。
よかった…
こうやって返すのが精一杯。
それから、各部署に分かれてデスクに座る。
今日は仕事が早く進みそう。
まじか。
俺、顔に出やすいのか…?
さぁ、仕事 仕事。
昨日やってなかった仕事をしないと。
間に合わね。
そこから、2時間。
あなたは復帰したばっかだから延期になった。
よかった。
ちゃんと教えれる。
あなたに報告しようと2階に向かう。
エレベーターに乗ってドアが開いて2階。
携帯に落としていた
目を前に向けて1歩歩こうとした時。
亜嵐クンとあなたが向かい合って話してる。
時にくすくす笑ってるし。
俺、タイミング悪すぎだよな。
すると
あなたが俺に気づいて手を振る。
それに俺は、顔に出さないよう頑張って手を振り返す。
またそうやって笑うから。
こうやってしか返せないんだよ。
そう言って登って行ったエレベーター。
さっきとは違う口調で言ってくる。
知ってるけど。
知ってるけどさ。
それって俺、結構嫌なんだけど。
あなたは自分の顔の前で両手を振る。
両手を合わせて俺を見つめる。
あ ~ 。
やめろやめろ。
だめだめ。
じゃ って部屋に入って行った。
これって、二人っきり…だよな?
嬉し。
あなたと、久しぶりの買い物。
これ、隼に自慢しないと…!
ズボンのポケットをあさると携帯を取り出して…
俺は、エレベーターの階を押して部署に向かう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!