第39話

# 38
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2018/10/16 13:47
亜嵐クンからはもう会っていいって。


反省してるからいいよ って言われた。


面談は終わって


二人でカフェに寄った。
佐野玲於
疲れた…
小森 隼
だろうね。
さっきまでずっとあなたから質問攻め。
あなたからして俺は、初対面。


知りたがるのは当然のこと。


けど、ここまで聞かれるとは思ってもなかった。
佐野玲於
俺、人生分自分のことについて
語った気がするんだけど。
小森 隼
それぐらい話してるよ。
なんて言ったって嬉しい…


前みたいにあなたが俺に笑顔を見せてくれたから。
小森 隼
ニヤついてるよ。
佐野玲於
うるさい
小森 隼
あなたチャン、明日から復帰だってね。
佐野玲於
知ってる。
復帰って言ったって俺とあなたは階違うし…
佐野玲於
俺…
あなたに任されてた仕事
引き受けたんだ…
忘れてた…
また、肩にドンッとおもりが乗ったみたい。
小森 隼
玲於、溜めすぎだよ。
佐野玲於
仕方ねぇじゃん。
最近、体調ばっか壊してる…のは事実。
あなたの仕事の方はほぼ言うことは決まってるし


心配することは特にはない。
小森 隼
玲於、大人になったね。
佐野玲於
隼が子供のままなだけ。
小森 隼
カッコイイ。
佐野玲於
いや、いつもだから。
小森 隼
それ言っちゃう?
他愛もない会話してると後ろの女性達が


くすくす笑ってるんですけど。
小森 隼
なぁ、出よ。
佐野玲於
そうだな。
俺らは会計を済ませて外に出る。


わぁ。


やっぱ、冷えてるわ。


寒い。
小森 隼
誰か俺の心を暖めてくれる
女神様は居ないのかな。
佐野玲於
…無理だろ。
ブツブツ一人で言う隼。
小森 隼
玲於は、またあなたチャンにアピるの?
佐野玲於
まあな。
1からでも遅くはない。
決めたんだ。


諦めないって。


神様がどう言おうと俺は、決めた道を


一直線でやりこなす。
小森 隼
頑張れよ。
佐野玲於
さんきゅ
それから、俺らは解散。


家に着いてカバンを降ろし、ソファに座る。


はぁ って一呼吸付き、携帯を見ると


2件の通知。


















【 あなた : 帰れた?】


【 あなた : 聞きたいことあるんだけど。】

























佐野玲於
なに。












【なに?】























【あなた : 私、玲於クンと一緒の会社なの?】























【そう。】
そこから、返信はなくて既読が着いたまま。


わ、これキツっ。


既読無視とかどうだっていいって思って


隼に良くしてたわ。


そしたら、既読無視反対 とか怒ってきて


こんな気持ちって思ったけど、俺は相手は好きな奴。


隼とは違う心を持ってるはず。


俺にはきつくて仕方が無い。
佐野玲於
早く…来いっ…!
念じて念じて…!
















【あなた : 検査で明日には完全復帰できます。】


















佐野玲於
…そっか…
思ってたのとは違う返信でもどこかホットした。
その日は疲れてそのまま寝てしまった。
佐野玲於
やっば…!!!
もう、8時…!!!
完璧な寝坊。


終わった。
俺は、いつもより倍で準備して会社に向かった。
入口には警備員が立っていて大きな欠伸をする。
佐野玲於
こっちだって眠いわ。
カードをかざしてエレベーターに乗り込む。


自分の階を押すのに精一杯で
あなた

間に合った…!

転けそうに乗り込んできたあなたが隣にいる。
佐野玲於
あなた…?
あなたは俺の顔見るやら
あなた

玲於クン!

って叫ぶ。
佐野玲於
なに、寝坊?
あなた

そうなの。
復帰初日からついてない!

あ ~ 。


嬉しい。


こんな時がまさかこんな早く来るなんて…
あなた

なに…?
なんかついてる?

前髪を触って払う。


やべ。


見すぎたかなを
佐野玲於
別に何も無いよ。
そう言うだけで精一杯。


密室の中二人きりって結構キツいから。
あなた

私、今大事な仕事任されてたんだけど
事故にあっちゃって…
その仕事どうなったんだろ…

佐野玲於
それ、俺引き受けたよ。
あなた

え?

それは、俺のせいだから って言おうとしたけど


あなたは何も覚えてない。


俺との記憶は。
佐野玲於
リーダーに言われたんだよね。
たまたま、あなたの部署行ったら。
あなた

そうなんだ…
でも、私変わるよ?

佐野玲於
なら、一緒にやろ。
あ ~ 。


俺、頑張った。


心臓飛び出そう。
あなた

わかった!

よかった…
佐野玲於
ん…
こうやって返すのが精一杯。
それから、各部署に分かれてデスクに座る。
今日は仕事が早く進みそう。
社員
玲於さん、おはようございます!
佐野玲於
あ、おはよう
社員
何かいい事ありました?
佐野玲於
え?
社員
顔に書いてありますよ。
まじか。


俺、顔に出やすいのか…?
佐野玲於
まじ、恥ずっ…
社員
彼女さんでも?
佐野玲於
そんなんじゃないけど
社員
いいですね!
いい事があるって。
佐野玲於
そうだな
さぁ、仕事 仕事。


昨日やってなかった仕事をしないと。


間に合わね。
そこから、2時間。
佐野玲於
よし…
リーダー
ちょっと玲於!
あの、あなたチャンのプレゼンなんだけど
延期になったから!
佐野玲於
わかりました。
リーダー
今週の土曜日に延期ね。
佐野玲於
了解しました。
あなたは復帰したばっかだから延期になった。


よかった。


ちゃんと教えれる。
あなたに報告しようと2階に向かう。
エレベーターに乗ってドアが開いて2階。
携帯に落としていた


目を前に向けて1歩歩こうとした時。
亜嵐クンとあなたが向かい合って話してる。
佐野玲於
時にくすくす笑ってるし。


俺、タイミング悪すぎだよな。
すると
あなた

あ!玲於クン!

あなたが俺に気づいて手を振る。


それに俺は、顔に出さないよう頑張って手を振り返す。
佐野玲於
あなた、あのプレゼン今週の土曜日に
延期になったから。
あなた

あ、わかった!
わざとありがとう。

またそうやって笑うから。
佐野玲於
ん…
こうやってしか返せないんだよ。
あなた

あ、玲於クンに聞きたいことあるんだけど…

佐野玲於
聞きたいこと?
あなた

その、プレゼンのことで…

佐野玲於
あ、わかった。
教えるよ。
あなた

助かる!ありがとう

白濱 亜嵐
なら、俺先戻ってるね。
そう言って登って行ったエレベーター。
佐野玲於
何がわからない?
あなた

うそ…

佐野玲於
え?
あなた

教えて欲しいんじゃない…んだけど…

佐野玲於
ん?
あなた

クリスマス…でさ…!
亜嵐クンにプレゼントあげるんだ!
だから一緒に選んでくれないかなって

さっきとは違う口調で言ってくる。
佐野玲於
俺?
あなた

亜嵐クンと友達ならいろいろ知ってるんじゃないかって思って…

知ってるけど。


知ってるけどさ。


それって俺、結構嫌なんだけど。
あなた

嫌だったら大丈夫!

あなたは自分の顔の前で両手を振る。
佐野玲於
別に、嫌じゃないけど。
あなた

なら、お願い!

両手を合わせて俺を見つめる。


あ ~ 。


やめろやめろ。


だめだめ。
佐野玲於
わかった、わかった…!
あなた

なら、明日の7時に入口!

佐野玲於
わかったよ。
じゃ って部屋に入って行った。
これって、二人っきり…だよな?


嬉し。


あなたと、久しぶりの買い物。


これ、隼に自慢しないと…!


ズボンのポケットをあさると携帯を取り出して…
佐野玲於
もしもし…?
隼、ちょっと聞いて…
俺は、エレベーターの階を押して部署に向かう。
ちか

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