桜がヒラヒラと舞い散る4月。
今日は高校の入学式。
新しい制服を来た自分の姿に見慣れない。
思わず苦笑いしてしまう。
これから始まる新たな学校生活に胸を踊らせながら家を出た。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
春の陽気のせいで頭がぽわぽわする。
いや!ダメだ!!
今日から高校生なんだから…しっかりしないと!
俺は気合を入れ直すと、誰もいない玄関に声をかけた。
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今話しているのは「みや」こと、みやかわくん。
中学に入ってから仲良くなって高校までずっと一緒だ。
みやは俺の親友って呼べる人!
バスの時間が迫っている。
俺とみやはバス停まで急いで走り出した。
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学校に着くと、昇降口にクラス割りが貼られていた。
俺のクラスは…3組だ。
懐かしいな、3組。
6年生以来なった事無かったから。
6年生と言えば…
俺はまだあんなガキンチョだった頃の約束を覚えている。
「藤枝 仁」
じんたんとの約束。必ず、もう1度逢いにいくって。
自分でなんとなくわかってる。
その理由は…
じんたんが俺の初恋の相手だから。
大好きだったから。
俺は中学で一緒だった数人のクラスメイト達と新しい教室へ向かった。
いよいよ入学式が始まる。
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今日は入学式とホームルームだけの日程だった。
現在の時刻は11時30分。
もう下校の時刻だ。
俺はみやと一緒に下駄箱へ向かった。
俺は駆け足で今来た階段を駆け上がる。
この学校は校舎が広くて迷いそうになる。
俺は自分の教室に入って筆箱を取って鞄に入れる。
そう呟いて教室を勢いよく飛び出した瞬間。
ガツンッッ
人と思い切りぶつかってしまった。
俺は尻もちをつく。
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俺は急いで階段を上がり、3組の教室へと向かう。
携帯を鞄にしまって教室から出て元きた道を戻る。
すると、2組の教室から人影が突然飛び出してきた。
ゴチン!!!
勢いよくぶつかった。
その子は尻もちを付いていた。
俺はハッとして謝罪をする。
ん?
なんだろ…この声聞いたことあるよう…な?
俺はその子の顔をのぞき込む。
思わず息を飲んでしまった。
だって、だって…そこにいたのは…
あの、「じんたん」だったから。
……To be continued
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。