俺は自分の目を疑った。
だって、連絡先も、住所も、何もかも聞かなかったのに…こんな偶然ある?
確かに見た目は変わった。
かなり大人っぽくなった。
でも、そのつぶらな瞳と低くなった声でわかる。
じんたんだ、会いたかったじんたんが目の前にいる。
俺は考えるより先に手が動いていた。
思い切りじんたんを抱きしめる。
じんたんの声でハッと我に返る。
俺はすぐにじんたんから離れた。
俺はじんたんに謝った。
じんたんは俺を見つめている。だけど、その目には警戒心が混じっていた。
流石にショックだ。
ずっと想い続けた子が自分の事を忘れてしまうなんて。
じんたんに問い詰めていると、俺の頭に強い衝撃が走った。
ゴッッッ
そこには、まるでチベットスナギツネを人間にしたかのようなイケメン男子が立っていた。
俺を思い切り睨んでいる。
この顔どこかで見たことあると思ったわけだ。
昔、フットサルチームで一緒だった宮川だった。俺が引越しの都合で先にやめてから音信不通だったのだ。
そんな話をしていると、じんたんが立ち上がって
と言ってみやの後ろに隠れてしまった。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
みやはそう言い残すとじんたんを連れて帰ってしまった。
なんだよ、どいうこと?
じんたんが俺のことを覚えてない?
みやと何か関係があんの?
ねぇ、じんたん、教えてよ…
数十分後…俺はドーナツ屋でみやを待っていた。
俺とみやはドーナツ屋へ入り、一番奥の壁側の席を取った。
ひと段落付いたところで本題に入る。
……To be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!