気づいたら暗闇にいた。
ここは何処だろう。
ただただ暗い。
遠くにうっすら光っている何かがある。
じんたんはゆっくりとこちらを振り返り、
寂しげな笑顔で
と言い、そのまま歩き出した。
俺は必死にじんたんを追いかける。
だけど全然追いつかない。
逆に自分がじんたんから離れていっている気がする。
待って、なんで、なんで!!!
ガバッッ!!
「じんたん」と叫んだ瞬間、俺はベッドから飛び起きた。
はああああああっ…と
深いため息をつく。
いやいやいや、夢オチとかどんだけよ。
ふと、時計に目をやると7時30分。
俺は急いで部屋を後にした。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
思い切ってテオくんを誘ってみた。
急で迷惑かな…?
すぐにOKしてくれた。
良かった…
テオくんは嬉しそうに自分のクラスに戻っていった。
それを見ていたら、なんだか僕まで楽しくなってきた。
〜放課後〜
下校のチャイムが鳴って、テオくんがクラスへ迎えに来てくれた。
僕達はいつもの帰り道を歩きながら、今日あった出来事を沢山話した。
そう言ってテオくんは笑った。
その太陽のような笑顔が眩しくて、思わず僕は目を細めてしまった。
このイチョウの木には沢山の思い出が詰まっている。
とても大切な木だ。
でも、その分だけの嫌な事も沢山あった。
少しボーッとしてたみたいだ。
今は考えないでいよう。
あの時の事は…
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
ふと、気づいたことを口にしてみた。
じんたんは右の方にチラッと視線をやった。
これは嘘をついている時の癖。
この際、あの時の事を一緒に言ってしまおう。
じんたんは震えていた。
何かに怯えているようだった。
その時、じんたんの服の袖から紫がかった肌が見えた。
一瞬、何か付いたのかと思ったがこれは違う。
多分…
俺は一気にじんたんの袖をまくる。
するとそこに現れたのは白い腕…ではなく、
痣が無数についた腕。
しかも自分で切ったかのような切り傷まである。
じんたんは、バツが悪そうな顔をしながら
ゆっくりと口を開いた。
……To be continued
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。