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第13話

記憶の糸。
じん
んはぁ…なんか入学式だけだったのに疲れたな…
ぶかぶかな制服から部屋着に着替えながらそう呟く。
じん
あの人…なんだったんだろ?
知らない人とぶつかって、そしたら急に抱きしめられて…
あっち系の人なのかな?とか考えたけどそうでもなさそう。
でも…俺のこと知ってるって…?
いつから?
どういうきっかけで?
じん
うっ…
自分の記憶を辿ろうとすると頭がズキズキと痛み出す。
それのせいで結局何も考えられずに目を逸らすことになる。

僕の記憶はどこへいったの?
じん
わかんない…
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
みや
じんちゃん!おはよ〜!
じん
あ、みやおは…っ
テオ
あ、え…とおはよ!じんたん!
じんたんはやっぱり俺を警戒している。
挨拶をしたが、みやの後ろにサッと隠れてしまう。
みや
じんちゃん、そんな隠れなくても大丈夫だよ?
じん
で、でも…
テオ
き、昨日はごめんな?
俺の幼なじみに凄い似てたからさ…
そういやまだ自己紹介してなかったね!
俺は寺島。よろしくなっ
みや
ほら、じんちゃん!
じん
あ、えと…ふ、藤枝…仁…です
よ、よろしくお願いしますっ…
テオ
おう、よろしくな!
控えめに俯きながら俺に自己紹介してくれたじんたん。

可愛い…


そんな事を考えながら、にやける頬を抑えつつ学校へと3人で歩いていった。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
じん
寺島くん…かぁ
1人で呟く。

見た目は完全にパリピって感じの人だけど…案外優しかったりするのかな?

あのみやと一緒にいるくらいだからなぁ…


でも、まだ信じちゃダメだ。
どうせ裏切られるのなんて目に見えてるしね。
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り、お昼の時間になった。
じん
みやのとこ行かなきゃ!
自分の弁当を持って教室を出ると、
テオ
じーんたんっ
この声は…
じん
寺島、くん?
テオ
お昼一緒に食べよ!
屋上でみやも待ってるからさ、行こっ!
じん
え、ちょ、うわっ!?
手をグイっと引っ張られながら廊下を駆け出す。
寺島くんは足が速くて、たまにつっかえそうになる。

その時、脳裏に何かが浮かび上がった。
???
…ついてきて!、…ん!
??
待って!…く…ん!
じん
えっ…?
俺は思わず足を止める。

寺島くんはこちらを振返って、心配した目で見てきた。
テオ
どうしたの?
じん
え、あ、いや…なんでもない、です…
テオ
…そっか!じゃあ行こ!
くるりと背を向け、今度はゆっくりと歩き出す。


今のは何だったのだろうか?
もう霞んで思い出せない。

けど、けど…




何か大事な事だった気がするんだ…
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
みや
おー!2人とも!遅い遅い!
テオ
ごめんみやぁ!!
じん
みやごめんねっ!
みや
大丈夫!
昼休み終わっちゃうから早く食べよ?
2人を急かして、
3人輪になってお弁当を食べ始める。
うん、今日の卵焼き美味しい。
みや
そういやじんちゃん
じん
んぅ?
みや
寺島くん、どーよ?
じん
うぇっ…?!
テオ
ちょ、みや??
じんちゃんには早くテオくんに慣れてほしい。
3人でなんの気もなく笑いあえたら楽しいだろうから。
じん
え、と…その…
みや
テオくんに思ってること話してみなよ?
ちゃんと聞いてくれるし!
テオ
も、もちろん!
さぁ、じんちゃんはどう出るのかなぁ?
じん
あの、まだ…怖い…、ですっ
みや
おぉっ
まさかのしっかり言っちゃうパターンね!
じんちゃん成長したなぁ…。
感心、感心!

ところで、テオくんは…
テオ
や、やっぱそうだよね…ごめんね?
急にあんなことしたら誰だって怖いよね…
あ、地味に傷ついてる。
ここは俺がフォローをいれ…
じん
ち、違うんで…す!
テオ
え?
みや
うぇ?
じん
あの、俺…中学の時、いじめられてたか…ら。
みや意外とあんまり…喋らなかったし…
みや
じんちゃん人見知りだもんねぇ?
テオ
そうなんだぁ〜!
大丈夫だよ?俺はじんたんの事いじめたりしないし、嫌な思いはもう絶っっっっっっ対にさせないから!
こいつめっちゃ安心しとるやん。

まぁ、じんちゃんの警戒も少し薄れたし…いっか!
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
テオ
んぅ〜、終わったぁ…
午後の授業を無事に終え、俺は欠伸をする。
さて、あとやる事と言ったら帰るだけなのだが…
テオ
みやは今日委員会があるって言ってたよな…
てことは!?
じんたんと2人きりで帰れるチャンス!?
俺は早速、鞄を持って隣のクラスへ向かった。



じん
い、一緒に…?
テオ
そう!みやは今日いないみたいだし…ねっ?
いいでしょ?
じん
え、あ、うぅぅぅ…ん…
え、そんな悩む?
俺悲しくなっちゃうよ?
じん
い、いいです…よ
ちょっと頬を紅く染めながらぽそりと呟いたじんたん。



ああああ、めっちゃ可愛い、好き、抱きしめたい!!

けど我慢…な!
テオ
よっしゃ!じんたん!早くかーえろっ!
じん
は、はい…
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
じん
えーと、あの、帰ってたんじゃ?
テオ
え?いいじゃん、寄り道!
何故か俺は寺島君とゲームセンターへ来ていた。

一緒に帰っていただけのはずだったのに…
はぁ…と小さくため息をつく。
テオ
じんたんの欲しいもの取ってやるよ!
どれがいい?
じん
い、いやそんな悪いですよ…、自分で取りまっ…ああああああ!!!
俺はふと目をやったその物に反応して大声をあげてしまった。
テオ
え!?ちょ、何!?どしたの?
寺島君もさすがにびっくりしたようで、俺に近づいてくる。
じん
こ、これ…!50個限定USAちゃんぬいぐるみっっっ…!!!
すごい!こんなレアなものがあるなんて!
USAちゃんぬいぐるみとは、俺が昔から大好きなうさぎのぬいぐるみだ。

50個限定版のUSAちゃんぬいぐるみはセーラー服を着ている。
テオ
寺島君は何か考え込んでいる。

すると
テオ
これがいいのね?
特徴的な下八重歯を見せながら笑った寺島君は、100円を入れてゲームを始める。
じん
え、ちょっ…?
テオ
まぁまぁ、いいから大人しく見てなさいって!
俺が困惑している間にクレーンはどんどん動いていく。

ぬいぐるみのいる的確な位置に狙いを定めて…
テオ
ここっ!!
パチンッ!!

勢いよくボタンを押した。
ゆっくりと下がっていくクレーンは、USAちゃんをガッシリと掴み、また上へ上がっていき…

穴に落ちた。
テオ
よっしゃぁ!
じん
ええっ!?!?す、凄い…!!!
テオ
だろ?俺クレーンゲーム得意なんだよね。
はい、これ!あげる!
じん
うぇっ…でも…寺島くんが取ったのに…っ
じん
う、…あ、ありがとうございます…
テオ
ん、それでよし
そう言って俺の頭にポンと手を置いた寺島くんの表情は、春の陽気のような柔らかい笑顔だった。
じん
やっぱり…
不思議と寺島くんへの恐怖心はもう無くなっていた。
……To be continued