第41話

声の主
381
2023/12/27 02:00
私の小さい頃、おばあちゃんの家によく遊びに行ってたんです
そして、これはその中の一回の話__________
































おばあちゃんの家のお風呂場が怖いから
私とお母さんで一緒に近くのお風呂屋さんに毎回行ってて、その帰り道
暗い中車走らせて、ようやく家に戻ってこれた、と思って車を降りた時


暗闇から声がしたんです
ぐさお
ぐさお
ぎゃああああ!!
めめんともり
めめんともり
まだ何も出てませんってば























︎ ︎ ︎
みきちゃん?
みき……
私は、どこかその名前に聞き覚えがあった

ってか、誰なんだろう…こんな時間に尋ねてくるってのは…知り合いかな?
お母さんを呼ぼうと振り返った時に、さっきから引っかかっていた原因が分かった

みき__________それは、私のお母さんの名前でした

「みきは私のお母さんの名前だよ?」
︎ ︎ ︎
あ…あらぁ…ごめんなさいね
みきちゃんの若い頃にそっくりだったから
「…おばあちゃんのお友達?」
私の…私のお母さんの若い頃を知っていると言えば、おばあちゃんの世代くらい
だからそう思ったのだが…
︎ ︎ ︎
おばあちゃん……あぁ、久美子の事ね、元気してる?久美子は
「おばあちゃんは…元気だけど」
︎ ︎ ︎
そう……どうしようかしらねぇ…伝えようか…
困った声色になった時、私は何とも言えない違和感に気づいた







誰なの?この人…

おばあちゃんの事を呼び捨て……別に、それはいいのだけど…
まるで、呼び方が自分の娘に対するようで…

「貴方、誰っ__________」
カチッ!!!


「きゃっ……」



後ろからエンジンの音がして、車のライトが私を背に光るのが分かった
お母さんが探し物をする為にエンジンをかけたんだろう

でも今は、そんな事どうでも良かった





声の主がいなかったのだ、そこに

光が私の目の前に広がっているのに、先程の声の主が姿、影すらも見当たらない


「ど、どこ…?どこに、居るの…?」
︎ ︎ ︎
今日、行くからね
「……ぁ」
突如、後ろからこの世の者では無いと確信づけるほどの低い声色でそう囁かれた

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