第4話

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2021/04/05 04:10
2月16日(火)



放課後、言われた通りに学校から1番近い最寄り駅に行くと桜庭さんがホームに立っていた


あなた「あ!来てくれた!こっちこっち!」



桜庭さんの横に並ぶとすぐに電車が来て2人で乗る


目黒「どこ行くの?」
あなた「秘密!」



そう笑いながら楽しそうに言う桜庭さんを横目に外の景色を見ていると2駅進んだ位で桜庭さんが言った


あなた「降りるよー!」
目黒「ここ?」
あなた「あ、違う違う!乗り換える!」



また違う電車に乗って5駅進んでまた違う電車に乗り換える


あなた「座ろっか!」
目黒「あ、うん。随分人が少ないね」
あなた「あー、この電車田舎の方にしか行かないから」
目黒「そっか、って、田舎の方に行くってこと?」
あなた「あ、そうそう!ほら!景色綺麗だよねこんな自然滅多に見れないから!」



3駅位進んだ時、また桜庭さんから声がかかった


あなた「ここ!」



着いたのはいかにも田舎って感じの小さな村だった


目黒「それにしても随分遠くまで来たね」
あなた「そうだね、今日午前授業だったから!」


最寄り駅で集合してから2時間以上は経っている



あなた「よし!じゃあ私に着いてきて!」



それから少し歩いて夫婦で営んでいる小さな定食屋さんで遅めのお昼ご飯を食べるらしい


あなた「ここのトンカツ、美味しんだよ!」
目黒「へぇ、来たことあるの?」
あなた「うん、ここ私が中学生の時にできてね、それからちょくちょく来てるんだ」
目黒「ここの村にも何度か来てるんだ」
あなた「ちっちゃい頃からよく来てるよ、私の大好きな場所」
目黒「そっか」
あなた「あ、きたきた!食べてみて!」
目黒「うん」
あなた「……どう?」
目黒「美味しい…」
あなた「でしょ!美味しいよね!
私も食べよっと!」




2人とも食べ終わって定食屋さんを出ると桜庭さんが急に走り出した


目黒「ちょ、まってよ」
あなた「速く!こっち!」



そのまま坂を登ったり橋を渡ったりして桜庭さんを追いかけていると桜庭さんは急に止まった


目黒「ここ?」
あなた「うん、ちょっとこっち来て」



小さな山の方まで来た僕達はそのまま上へと登っていく


あなた「よし!ねえ見てみて!」



何分か装備された階段を登ったあと、そう言われ柵の方へ行く桜庭さんのあとを着いていく


目黒「あ…、、」
あなた「綺麗でしょ?ここからの景色
もう少し時間が経つと夕日が出てきてもっと綺麗になるんだけどね」




確かに綺麗だ、、けど何かおかしい
少し探せばこれよりも綺麗で神秘的な景色はあるだろう
けど何故か、
なぜか凄くこの景色に心が惹かれる
あの日直の日、あの時感じた、
何だかこう心臓がギュッとなる感じ
あれだ、あの時と同じ感覚だ



ふと横を見るといつもにこにこ笑っている桜庭さんからは想像もつかないような儚げな表情をしていた
思わず聞いてしまった
考えるよりも口が先に動いてしまった




















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