第17話

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2018/07/22 06:34
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約束通り、教室で待っていると
どこか決心したような顔つきをした、シロが来た
でも、俺とシロが初めて会った時のように
口をパクパクするばかりで、なかなか声が出ない
白野冬優華
白野冬優華
...あ...
シロは拳をギュッとにぎりしめ、
踏ん張って声を出そうとするが、出るのは嗚咽のような音のみ
時間だけが、刻一刻と過ぎていくだけだった
この不明な、対峙の時間に堪えられなかった俺は、
シロよりも先に声を出した
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
なあ、シロ
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
わざわざ呼び出して伝えたいことだって、声にして表現しなきゃ
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
相手に届くわけないんだからな
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
俺は、お前の声を聞いたことがない
白野冬優華
白野冬優華
.....
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
だから、ごめん。
シロの伝えたいこと、そして気持ち、わかんない
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
用事あるから、また今度
スクバを肩に、だらしなくかけ、
声を出さない少女との教室を出た
白野冬優華
白野冬優華
...スン.グズッ
シロの啜り泣きが聞こえて、
「言い過ぎた」
って、いまさら思っても遅いよな
教室に戻って、謝ろうかとも考えたが
俺の無駄なプライドが許さなかった。
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
あんな、上から目線で..
斎藤 秋(シュウ)
斎藤 秋(シュウ)
本当に俺はアホだ..








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