阿部side
突然頭上から降ってきた声に驚いてばっと顔を上げる。
顔を上げた先にはニコニコと笑う後輩。この子知ってる……!!
無邪気に笑う姿は一個下なのに凄く幼く見えて可愛い。
「僕はちゃんと覚えててもらえてたよ〜!」と目黒くんを煽ってる。目黒君は本気で悔しそうにしてて面白い。笑
って、ラウール君も8人組の1人だった気が……
てことは半分集結……??
うわぁ……教室の女子がみんなこっち見てるよ……
視線が痛いっ!!
ちらりと横を見ると照が頭抱えてる、、大丈夫かな……?
ラウール君に正論を言われてうっ、と二人が押し黙る。
そっか、三人ともまだご飯食べれてないのか……
自分の手元を見るとまだ全然箸をつけてないお弁当。照もさっきからあの状態からあんまり食べれてないっぽい。
……そうだ!!
二人が驚いて俺の方に首をぐるんと向けて聞いてくる。
照だけなんだか嫌そうにしてるけど三人はいいよって言ってくれた!!
俺が頷けば満足そうに笑う照。
何故か三人から「照くんずるいです〜!」「俺やて毎日阿部ちゃんと食べたい……」って言われてる。
そんなに俺と一緒に食べたいのかなぁ……
っは!!俺と一緒にご飯食べたら味変わるとか……!?
なわけ無いか…
今更気づいた、、、
流石に教室で五人は無理だな……座るとことかスペース無いし……
俺がうつむいたときだった。
結局何処で食べるのか分かんないけどこれで三人とももっとお話できるよね!!
あと、クラス中の視線からも開放されるし!!
一石二鳥!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。