数年前…
母)あなたの下の名前。今日はパパもママもお休みだからお出かけ行こうか!!
父)じゃあ、行こうか!!
ゴロゴロ
ポツポツ
父)なんだ??雨??
母)あら、あなたの下の名前??お空が泣いてるからもうそろそろ帰ろうか~
父)あはは。あなたの下の名前。可愛いお顔がブサイクになってるぞ~??
母)あなたの下の名前??また今度もう1回来ようか~。次はお空が元気になってからね??
母)うん!!絶対!!
私の母はその時に指切りをした。
その次はもう2度とこないなんて、その時は知らなかった…
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プープープー
父)だいぶ混んでるな~…
母)そうだね~…
あっ、でもそろそろ動きそうだよ??
父)信号青だ。
プープープー
両親)?!?!…
キーーガッシャーン
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その後のことはよく覚えていない。
気づいたら病院に居て、両親の葬儀は終わっていた。
身寄りのない私は施設で少しの間過ごした。
しかし、嫌になって逃げ出した。
自分は置いて行かれたのだと。
もう居ない両親を探して走った。
気づけばあたりは薄暗く、カラスが鳴いていた。
そこがどこだか分からずに…
とうとう私はその場にしゃがみこみ泣き出した…
グス…グスン
ギュッ…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。