……………………………………………………
高専にて…
真希が飛びかかって来るのを響さんが軽々と避ける。
パンダの攻撃もバク転で交わし、次いでかのように、脇腹に回し蹴りを放つ。
こんどは棘の腕を掴んで、綺麗な一本背負い!
悠仁がものすごいスピードで響さんに突っ込んでいく。
でも。
僕の予想を反して。
響さんは瞬間移動のように、悠仁の前から消えた。
そして、辺りをきょろきょろ見回している悠仁の背後に再び現れる。
響さんは悠仁の腰を両手で掴んだと思うと。
思いっきりぶん投げた。
そう思っていると、響さんは急に方向転換し、グラウンドの端の方に駆け出した。
響さんには、恵の式神がどんどん迫ってきている。
でも、それに目もくれずに、何故か端の方の木に向かって走っている。
響さんが、木に向かって何かのお札を投げる。
そして、服の内側に隠していた筒状のものを口に咥えた。
尺八に似たカスカスの音が響く。
それと同時に、お札を貼った木がぐにゃりと歪んだ。
ズザザザザザサッ
さらに木は変形して、恵の鵺の方に凄いスピードで襲い掛かっていく。
そしてついに、木の枝が鵺を取り囲んだ。
↑語彙力無くてすみません…by作者
響さんは、ゆっくりその場に屈むと、地面にお札を貼った。
そして。
先程よりも、強く笛を吹いた。
それと同時に。
ドゴーーーーーーーーーーン!!!
大きな騒音と共に、響さんを中心とした地面が大きく割れた。
周りのみんなが吹っ飛んだ。
遠くで見ていた自分も吹っ飛ばされそうになるが、なんとか踏みとどまった。←今は無限外しています by作者
==============================
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!