「あのさ、付き合ってよ」
え?えええええええええええええええええっ!
「付き合う?」
「うん。付き合って」
付き合うってこういうことね…
「なんでバッティングセンター?」
「ん?気分!」
「野球できたっけ?貴」
「んー、微妙」
「イメージ水泳だもん」
「あっー、惜しいっ!」
「で?なに?」
「あのね…」
カキーンッ
「おお!ホームラン!すごい!すごいね貴!」
「はは、あのね。NEWSなくなっちゃうかもしれないんだ」
目の前が真っ白になった気がした。
「え?なく、なる?」
「うん。今話そうと思ってさ」
「もしっ!なくなっちゃっても。私は、ずっと、ずっーとみんなのこと応援するからね!いつでも味方だから!頼ってよ?私もいるから!4人だけじゃないから!」
「ふっ、ありがと」
「貴はどうしたいの?」
「俺は…残したいっ!みんなで築いて来たものを壊したくない!9人から今4人になって、なくなっちゃいそうで。でも!ファンの子達が俺らを待ってるから。残したいんだ!今までその子たちに何度も悲しい思いをさせて来た。これ以上悲しませたくないんだ。周りの人はもう無理だって言ってる人もいるけどっ、でも」
貴は泣き出してしまった。
「うん、そうだね。大丈夫。4人ならきっと。大丈夫だよ」
「っ…!うん。ありがと」
落ち着くまで赤子をあやすように、肩をそっと撫でていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。