平日の真昼間の東京は人でごった返している
なぜ私が東京に1人で来ているか
その理由はひとつ、ある人物を訪ねるため
一日で全員に会えるかは分からないけれど、できるだけ早くに声をかけてしまいたい
ということで、まず最初に六本木に足を踏み入れた
あまり見ない派手な髪色だから、案外直ぐに見つかった
相変わらずお堅い態度の竜胆
でも、ある意味希少価値の高い子なのかもしれない
すぐ近くのコンビニに入ると、やっぱり雰囲気にそぐわない
お客は私と竜胆含めて約10人と言ったところ
そのほとんどがスーツ姿の男だ
私たちを見るなり視線を逸らし、すれ違わないよう動いているのが丸わかりだ
竜胆はすかさず私が手に取ったものを抜き取った
冷えたスイーツ3つを持って、さっさとレジの方に歩き出してしまった
追いかけるも、追加で煙草を買って気がつけば買い物は終わっていた
くっそいちいちカリスマかよ、と思いながら歩を進める
そして私たちは、灰谷家に向かった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。