そうだ
あの時いきなり酷いめまいがして…
ここ…
病室?
確かにおかしい
いきなりこんな酷い症状がでるなんて…
息苦しさも、心臓のせいじゃなさそうだったし
こうして今日は入院することになった
四人部屋しか空いていなかったので、まさかの自分の担当患者さんがいる部屋に。
こうして患者さんと話したりしているうちに、消灯時間に
奏が病室を出てすぐに私は眠りについた。
でも、気持ち悪くて夜中の一時頃に目が覚めた。
ベッドのそばに置いてある桶を手に取り、吐こうとするけどなかなか吐けない
そんな時だった
苦しそうな声が聞こえたのでベッドから降りようとしたけど、ふらついて倒れ込んでしまった。
ードサッ
何とか立ち上がり、フラフラしながら立花さんのベッドへ行くと胸を抑えて苦しむ立花さんがいた。
すぐにナースコールを押そうとしたけれど、何故か反応しない
ふらつく体を動かして隣の佐藤さんのナースコールを押して、立花さんを見た。
吸入した後に看護師さんが駆けつけてくれたので、2人で処置をして立花さんは眠った。
看護師が部屋を出て、私もベットに戻ろうとした時だった。
がくんと力が抜けて、その場に座り込む。
とにかく、桶を取ろうとしたけれどベットの上に置いたままだし動けない。
耐えきれずにその場に吐いてしまった。
でも、吐いても吐き気は治まらない。
ほかの患者さんを起こさないように声を出さないように気をつけているけど、それが余計に苦しくなる。
ーガラガラ
奏が病室に来て、桶を片手に私の背中をさすってくれる。
吐き気が治まったのは1時間ほど経ってからだった。
まともに立てない私を奏が姫抱きにしてベットに寝かせてくれる。
それから脱水症状にならないように点滴をした。
そして、点滴をし終えた奏に手を握られながら眠りについた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。