第3話

3,062
2019/03/06 04:04
ん…
目が覚めたか?
奏…?
いきなり倒れたからびっくりしたじゃないか
倒れた…
そうだ

あの時いきなり酷いめまいがして…
ここ…

病室?
なあ雪
なあに?
一度精密検査を受けよう
え?ただの貧血とかじゃ…
そんなんじゃないってことは雪もわかってるだろ?
確かにおかしい

いきなりこんな酷い症状がでるなんて…

息苦しさも、心臓のせいじゃなさそうだったし
明日には検査できるように手配しておいた
ありがとう
こうして今日は入院することになった

四人部屋しか空いていなかったので、まさかの自分の担当患者さんがいる部屋に。
患者
あれ、雪先生どうしたんですか?!
あはは、ちょっと…
患者
お医者さんって大変ですもんねぇ
でも、やりがいはありますし患者さんを救えますから!
患者
凄いねぇ、雪先生が担当で良かったよ
ありがとうございます…
こうして患者さんと話したりしているうちに、消灯時間に
雪、具合はどうだ?
大丈夫、だいぶ楽だよ
患者
あら、奏先生じゃない
患者
雪先生とイチャつきに来たのかよ
患者
美男美女で羨ましいぜ
美女だなんて、そんな…
ははっ、ありがとうございます
それより皆さん早く寝てくださいね
患者
はーい
患者
はいよ
患者
分かってるよ
じゃあ、何かあったら呼べよ
うん、ありがとう
奏が病室を出てすぐに私は眠りについた。

でも、気持ち悪くて夜中の一時頃に目が覚めた。
ぅ…(気持ち悪い…)
ベッドのそばに置いてある桶を手に取り、吐こうとするけどなかなか吐けない


そんな時だった
患者
うっ…
え?立花、さん…?
苦しそうな声が聞こえたのでベッドから降りようとしたけど、ふらついて倒れ込んでしまった。

ードサッ
いっ…
何とか立ち上がり、フラフラしながら立花さんのベッドへ行くと胸を抑えて苦しむ立花さんがいた。
立花さん!大丈夫…です、か?!
すぐにナースコールを押そうとしたけれど、何故か反応しない
(なんで?!)
ふらつく体を動かして隣の佐藤さんのナースコールを押して、立花さんを見た。
患者
せ、んせっ…ぃ
(喘息の発作だ)
大丈夫ですよ、吸入器しましょう
看護師
大丈夫ですか?!
吸入した後に看護師さんが駆けつけてくれたので、2人で処置をして立花さんは眠った。

看護師
雪先生、ありがとうございます
いいの、これでも一応医者だから
看護師が部屋を出て、私もベットに戻ろうとした時だった。

がくんと力が抜けて、その場に座り込む。
うっ…(また気持ち悪い…)
とにかく、桶を取ろうとしたけれどベットの上に置いたままだし動けない。
ゲポッ…
耐えきれずにその場に吐いてしまった。

でも、吐いても吐き気は治まらない。
ぅ…おぇっ…
ほかの患者さんを起こさないように声を出さないように気をつけているけど、それが余計に苦しくなる。


ーガラガラ
…っ雪!
奏が病室に来て、桶を片手に私の背中をさすってくれる。

吐き気が治まったのは1時間ほど経ってからだった。
ごめ…
まともに立てない私を奏が姫抱きにしてベットに寝かせてくれる。
いつからだ?
看護師さんが…出て行って、から…
それって1時間ほど前じゃないか…
それから脱水症状にならないように点滴をした。

そして、点滴をし終えた奏に手を握られながら眠りについた。

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