終わって,扉がしまった瞬間,一気に力が抜けた
聞き間違えるはずがない
ずっと聞きたかった,大好きな声
目があって,フフッと笑ってしまう
ほの「いえいえ……て,うちのこと,覚えてない?」
ほの「柏木ほの!」
ほの「まさかここで再会するなんてね」
ほの「うちも,最初あなたのこと見つけたときは気づかなかったもん」
ほの「勿論」
ほのは,「仕事あるから」って帰っていった
そのあとも,少しの間沈黙が続いた
繋いだ手は,温かくて,ちょうどいい強さで,ずっと繋いでいたいなんて思った
~数ヶ月後~
いつもと変わらない,平和な日常が続いている
今日は廉とある場所に来ている
3週間後に控えた結婚式に向けたドレス等を決めに来た
これから先,大好きな人の隣に居続けることができるって言うのはすごく嬉しい
プロポーズの言葉?
一言一句忘れるものですか
「ずっと,あなたの隣にいたい
だから,離れんといて?」
キンプリの紅一点は永瀬の彼女
Fin
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。