第13話

12話
272
2019/12/05 10:02
私も一緒に救急車に乗り、ずっと風磨の手を握っていた。




風磨は検査を受けている。






今は願うことしか出来ない。





そんな自分が悔しい。







私はそのまま寝てしまったようだ。








翌朝頭に何かの感触を感じた。







「…ん、」






目を開けると風磨に撫でられてた。






よかった。無事でよかった。






それより寝てないと!







「風磨、おはよう。寝てなくて大丈夫?」






『ん、』







「ちゃんと寝て?ね?」








『分かったよ。』







なんだか、子供みたい笑








コンコン…




《あなたさん、お話が…。》




お医者さんだ。



『俺も聞きます。ここで話して下さい。』





《菊池さん、頭の腫瘍が悪化しています。持ってあと3ヶ月かと…。私達も全力を尽くします。これから治療が辛くなる可能性があります。それでも大丈夫ですか?》






『はい。』





風磨の返事は力強かった。





翌日から個別部屋に移動になりよくわからない管がたくさん繋がれている。




でも、風磨はこれまでと変わらず、いつも笑顔だ。





体はやせ細っていくけど、風磨は強く生きた。




余命を告げられた3ヶ月も過ぎて、もう1年以上生きてる。





風磨は強いな。





病院からの帰り私は激しい吐き気に襲われた。




家に帰り私は我慢してたものを出した。





「ウッ…」




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