satomi.
今日も屋上へ来た
誰かに助けを求められている気がした
なにより家やジメジメした教室よりも居心地いいから
ついお世話になっちゃうんだよな
ガチャ
俺がドアを開けた瞬間見た景色とは
目に涙を浮かべながら柵に手をかけている女子だった。
そいつは
クラスの端で本を読んでいるような奴。
俺は一瞬でそいつの姿に心を奪われた。
反射的に声が出てしまった。
俺はそいつの手首を掴んだ
ついに大泣きしやがった
あーあめんどい
俺がそう言うとそいつは落ち着いて話し始めた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
話を聞いたところクラスで虐められているみたい。
そして家庭では俺と同じような暴力を受けているらしい。
泣きながら訴えていた。
そうだよ、俺も一緒。
家庭では暴力を受けて
学校ではくだらないことして、
そう言うとあなたは悲しそうな、でも少し嬉しそうな笑みをにっこりと見せた。
なんで俺ドキッってしてんのさ笑
愛を知らない俺たちの秘密の物語が始まる。
まあ、
俺あなたの虐めの主犯だけどね、笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!