satomi.
バタッ
座り込んで静かに目を閉じたあなたを見て、
俺はすぐさま人がいない場所へあなたを運んだ。
とは言っても女子をだっこするとか全然慣れないし、
めっちゃ軽い…食ってんのかこいつ。
とりあえずあなたを誰もいない公園のベンチへ座らせた。
今はすやすやと寝息を立てて寝ている。
数分後.
えなに言ってんの俺。
これ完全に引かれたやつだよな
ほんのり赤くなっているあなたの頬。
かわいい、
俺はあなたの前に腕を突き出す。
そういうとあなたは俺の腕を掴んで一緒に歩き始める。
きょ、距離が近い!!あなたの匂いが香る。
ちょうど花火が見えやすい場所へ着いた時だった。
ヒューードン🎆
色とりどりの花火が打ち上がった。
あなたの方が綺麗だよ。
そんなこと言えるはずがない。
色とりどりの花火や、微かに伝わるあなたの体温。
あなたの目に映る綺麗な景色。
やっぱり胸が痛いよ。苦しいよ。
どうして君を見たらこうなるの?
俺は
気づいてしまった。
恋をしてるんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。