風雅「あなたちゃんなにがいいですか?」
あなた「え、?」
風雅「飲み物」
あなた「え、買ってくれるん」
風雅「はい」
あなた「やった。ん〜、あ、これ。ほっとレモン。」
風雅「かわいいっすね」
あなた「え、」
後輩に奢ってもらうなんて、
メンバー除いたら初めてかも。
風雅「はい、」
あなた「ありがと。なんか嬉しい笑」
風雅「なんで」
あなた「初やん、奢ってもらうん」
風雅「自販機やけど」
あなた「関係ないよ笑 ほら、行こ?」
エレベーター乗って、
久しぶりに、屋上に来た。
流星と喧嘩したときよく来たな。
いっつも柊真くんが慰めに来てくれて、
じーこが流星連れてきて、
仲直りさせられたっけ…笑
風雅「もう暗いっすね」
あなた「そやね、、あそこおると時間の感覚なくなるよね、笑」
椅子に並んで座って、
わたしは一口、ほっとレモンを飲んだ。
あなた「あふっ、」
風雅「そんなに?」
あなた「猫舌やねん、笑」
なんか久しぶりに水以外のもん飲んだかも。
風雅「あの、」
あなた「ん?」
風雅「…あなたちゃんは、最初、どんな気持ちでしたか。まいジャニ、やるってなったとき、」
あなた「うーん、」
正直あのとき、
わたしは子どもすぎた。
あなた「…とにかく、楽しみだった。…まだなにも、わかってなかったから。入ってすぐあんなふうに前に立って、勘違いしてた。…きっとこのままとんとん拍子で人気なって、7人でデビューして、大きい会場でコンサートするんやって、毎日わくわくしてた。」
だけど、
だんだんわかってくる。
嫌でも、わかってくる。
あなた「でも、自分のいる状況、普通やなかったんやって、気づいて。westのデビューもあったし、楽しいだけじゃ、あかんって。怖かった、関ジュどうなってくんかなって。わたしたちが、1番前になるってなって、やっぱり、見てもらえるところって、まいジャニで、それは今もかな。少クラ出れない分、まいジャニでって感じやん。」
風雅「…俺たちで、いいんですかね」
あなた「嬉しいよ。わたしは。最初はいろんな意見あるやろけど、あんまり気にしないでいいと思うし。…不安?」
風雅「いや、…わかんないです」
あなた「わからんか。笑」
風雅「あなたちゃん、」
あなた「ん?」
風雅「疲れた」
あなた「お疲れ様。」
風雅をぎゅっとすると、
珍しく、
風雅もぎゅってし返してくれた。
あなた「よしよし」
風雅「よしよし、」
あなた「え、なんで笑」
風雅「なんとなく、…頭ちっちゃいですね」
あなた「そう?風雅もう髪の毛ふわふわにするんやめたん?」
風雅「あれ夏休みやから」
あなた「あ、なるほど。」
なんかちょっと、
肌寒いな。
上着着てこればよかった。
風雅「寒いですか」
あなた「え?」
風雅「ちょっと震えてる」
あなた「あ、…ちょっと寒いかも、」
風雅「中入りましょ」
あなた「そやね。風雅どうする?終わるの待ってみんなと帰る?」
風雅「みんなと帰る」
あなた「じゃあ一緒に待っとこね。」
屋上を出ると、
そこにはみっちーがいた。
あなた「どうしたん?」
駿佑「あっ、いや、なんか気になって、」
あなた「そっか笑 確認とかしてへんの?」
駿佑「いまはAぇです」
あなた「お、何歌うん?」
駿佑「fire birdです!」
あなた「おおっ、なにわは?」
駿佑「えっと、鼓動と、青いイナズマです」
そっか、
最後やから、鼓動するんかな、
あなた「そっか… 鼓動、なんか懐かしい、」
もう1年以上前のことか、
鼓動、最後に歌ったの。
すごいな、一年前梅芸や。
もうすぐ、
関ジュを卒業して一年になるんや。
…まだ、一年なのに、
わたし、なんで立ち止まってるんかな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!