第78話

episode77
905
2022/03/19 15:52




風雅「あなたちゃんなにがいいですか?」
あなた「え、?」
風雅「飲み物」
あなた「え、買ってくれるん」
風雅「はい」
あなた「やった。ん〜、あ、これ。ほっとレモン。」
風雅「かわいいっすね」
あなた「え、」


後輩に奢ってもらうなんて、

メンバー除いたら初めてかも。





風雅「はい、」
あなた「ありがと。なんか嬉しい笑」
風雅「なんで」
あなた「初やん、奢ってもらうん」
風雅「自販機やけど」
あなた「関係ないよ笑 ほら、行こ?」


エレベーター乗って、

久しぶりに、屋上に来た。



流星と喧嘩したときよく来たな。


いっつも柊真くんが慰めに来てくれて、

じーこが流星連れてきて、

仲直りさせられたっけ…笑


風雅「もう暗いっすね」
あなた「そやね、、あそこおると時間の感覚なくなるよね、笑」






椅子に並んで座って、

わたしは一口、ほっとレモンを飲んだ。




あなた「あふっ、」


風雅「そんなに?」


あなた「猫舌やねん、笑」




なんか久しぶりに水以外のもん飲んだかも。




風雅「あの、」


あなた「ん?」
風雅「…あなたちゃんは、最初、どんな気持ちでしたか。まいジャニ、やるってなったとき、」
あなた「うーん、」





正直あのとき、

わたしは子どもすぎた。


あなた「…とにかく、楽しみだった。…まだなにも、わかってなかったから。入ってすぐあんなふうに前に立って、勘違いしてた。…きっとこのままとんとん拍子で人気なって、7人でデビューして、大きい会場でコンサートするんやって、毎日わくわくしてた。」



だけど、

だんだんわかってくる。

嫌でも、わかってくる。





あなた「でも、自分のいる状況、普通やなかったんやって、気づいて。westのデビューもあったし、楽しいだけじゃ、あかんって。怖かった、関ジュどうなってくんかなって。わたしたちが、1番前になるってなって、やっぱり、見てもらえるところって、まいジャニで、それは今もかな。少クラ出れない分、まいジャニでって感じやん。」
風雅「…俺たちで、いいんですかね」
あなた「嬉しいよ。わたしは。最初はいろんな意見あるやろけど、あんまり気にしないでいいと思うし。…不安?」
風雅「いや、…わかんないです」
あなた「わからんか。笑」
風雅「あなたちゃん、」
あなた「ん?」
風雅「疲れた」
あなた「お疲れ様。」

風雅をぎゅっとすると、

珍しく、

風雅もぎゅってし返してくれた。






あなた「よしよし」
風雅「よしよし、」
あなた「え、なんで笑」
風雅「なんとなく、…頭ちっちゃいですね」
あなた「そう?風雅もう髪の毛ふわふわにするんやめたん?」
風雅「あれ夏休みやから」
あなた「あ、なるほど。」

なんかちょっと、

肌寒いな。


上着着てこればよかった。





風雅「寒いですか」
あなた「え?」
風雅「ちょっと震えてる」
あなた「あ、…ちょっと寒いかも、」
風雅「中入りましょ」
あなた「そやね。風雅どうする?終わるの待ってみんなと帰る?」
風雅「みんなと帰る」
あなた「じゃあ一緒に待っとこね。」



屋上を出ると、

そこにはみっちーがいた。





あなた「どうしたん?」
駿佑「あっ、いや、なんか気になって、」
あなた「そっか笑 確認とかしてへんの?」
駿佑「いまはAぇです」
あなた「お、何歌うん?」
駿佑「fire birdです!」
あなた「おおっ、なにわは?」
駿佑「えっと、鼓動と、青いイナズマです」


そっか、

最後やから、鼓動するんかな、




あなた「そっか… 鼓動、なんか懐かしい、」



もう1年以上前のことか、

鼓動、最後に歌ったの。



すごいな、一年前梅芸や。




もうすぐ、

関ジュを卒業して一年になるんや。



…まだ、一年なのに、


わたし、なんで立ち止まってるんかな。






プリ小説オーディオドラマ