第71話

episode70
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2022/04/30 23:15



あれから、

もう2ヶ月弱。



気づけばもう11月半ば。




体調は、

ほんの少しだけ、良くなってる気がした。



ご飯も、少しは食べれるようになった。



お休みしたてのときは、

ほんまに動かれへんかったけど、



紫耀とじーこが気にしてくれて、

一緒にお散歩とか行ってくれたおかげで、


少しずつ、動けるようにもなってきた。



忠義「あなた、お待たせ」
あなた「あっ、いえ、」


今日は、

大倉くんに誘われて、

まいジャニの収録を観に行かせてもらう。

正確に言うと、収録は明日やけど。




久しぶりの東京駅は、

人が多くて、少し怖かった。



忠義「大丈夫やった?ここまで」
あなた「はい、…なんとか、」
忠義「しんどかったんやろ。ごめんな、家まで迎えに行けたらよかってんけど。」
あなた「いやっ、そんな、大丈夫です。」
忠義「ほんま?ならいいけど。じゃあ、新幹線行こか。」
あなた「はいっ、」


わたしは大倉くんの後に続いて、

新幹線の改札を抜けた。



お母さんのとき以来か、大阪。


なんか、思い出すな、


頭真っ白で、動揺が止まらなくて。


今でもあの日のことを考えると、

胸が苦しくなる。





忠義「あなた?いける?」
あなた「…大丈夫、です、」
忠義「やっぱまだきつかったか」
あなた「いやっ、ほんまに、大丈夫なので…」
忠義「新幹線乗ったら人もあんまおらんやろから大丈夫やで。」
あなた「はい、」


新幹線は、

ちゃっかりグリーン車に乗せてもらって、


あなた「すごい、」
忠義「初めて?」
あなた「初めてです、…広い、ふかふか、」
忠義「子どもみたいやな笑」
あなた「えっ、」
忠義「寝てもいいからな。」
あなた「はい、」


なんかちょっと、

疲れた。


大きく深呼吸すると、



なんだかどっと身体が重たくなった。


わたしはぎゅっと目を閉じた。






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忠義「じゃあ、楽しんでな。明日。」
あなた「え、来ないんですか…?」
忠義「あした関テレで打ち合わせやねん。たまたま被ってるから、あなたこっち連れてこ思っただけ。」



そう、やったんや、

忠義「俺のかわりにあいつらのことしっかり見といてな笑」
あなた「はいっ、じゃあ、また。」
忠義「ん。また。」


新大阪も、

久しぶりやな。



なんて思いながら、

わたしは降車場に向かった。





もうだいぶ暗いな。

ちょっと寒い、


そうやんな、あと2週間ちょっとで、12月やもん。




…12月、か、

早いな。






「あなた!」


名前を呼ぶ声に、

わたしは顔を上げた。




あなた「流星っ」
流星「久しぶり!お母さんあっちで待ってるよ。」
あなた「うんっ、」



今日は、

何年かぶりに、流星のお家にお泊まり。



先週大阪行くこと決まって、


流星のお母さんから泊まりにおいで!って連絡きて、



それから1週間、

ずっとずっと楽しみやった。


こんな気持ちも久しぶりやったから、

なんだか嬉しかった。





明日はみんなに会えるし、


ちょっとでも、

元気もらって戻れたらいいな。




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