太宰さんの失踪から_____4年。
私は中也さんの幹部補佐役として、ポートマフィアで生き続けている。時の流れは想像寄り早いモノで、時の流れと共に私の辛い記憶も徐々に薄れていった。
そんな、有る日の事だった
その日の任務は『闇市で70億の人虎の捕獲』
今回の捕獲対象が異能力者とは云え、似た様な任務をこなしていた私達には何も変わりない任務だった。
任務遂行に当たっての作戦はこうだ
私と樋口ちゃんの2人で依頼人に扮し、人虎を路地裏迄呼び出す。そして、芥川君の異能を遣い、人虎を捕獲する。
大雑把だが、余り細かく決めてもあの芥川君が全て完璧に遂行してくれるとは思えないし、これくらいが丁度いいのだ。
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どうやら、来るタイミングが悪かったみたいだ。
探偵社内に入ると中はガラッとしていて、この春野さんと云う事務員の方が応接間に案内をしてくれた。
其れから10分も経たずに探偵社の入口の扉が開く。
ゾロゾロと探偵社員が入ってくる。
茶髪の髪にヘアピンを着けている青年、
黒髪ロングのセーラー服の少女、
特徴的な白髪の青年___捕獲対象の人虎、
黄土色の長髪を結んでいる眼鏡の男性、
その男性と云い合いをしながら最後尾で入って来たのは...___
黒い蓬髪に躰中に巻かれた包帯....
当時あった顔の包帯は無くなってはいるが...__
間違い無い。
藍華は完全に硬直してしまっていた。
顔も普段より青白く、息遣いも少し荒い。
太宰に名を呼ばれた藍華は躰を大きく震わせた
俯き、視線が泳いでいる藍華を
心配そうに見つめる樋口....
樋口は太宰をキッと睨んだ
遂に耐えられなくなったのか、藍華は樋口に御免。と告げると、太宰達の横を走り去ってしまった。
そう云って太宰を睨んだ国木田は太宰の表情を見て驚く。
太宰の表情は真剣で.......
少し傷付いている様にも見えた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!