接吻… …、え、接吻!?
待って待って待って… 何故そうなった
良くないです!!!
全然良くないです!!!
…なんて云える筈もなく。
そう云った太宰さんは私の耳を優しく触れる
太宰さんに後頭部を抑えられ、接吻をする
その接吻は、長く、甘かった
息が苦しくなって、酸素を求めて口を開くと
そこに太宰さんの舌が入ってきて、より濃厚な接吻になる
ピピピピッ ピピピピッ
腕時計のアラームが鳴った
重役会議の30分前にセットしておいたものだ。
私は太宰さんを寝台から引きずり出し
そう云って部屋を出た。
パタン…。と扉を閉め、壁にもたれ掛かった藍華はその場にうずくまる
実は云うと、太宰さんとの接吻は之が初めてではない。
初めての接吻は1年前。
私が太宰さんの幹部補佐を務め初めてからだ。
太宰さんがどう云う気持ちで接吻をしたのか、
私には想像をつかなくて、、、
でも、一つだけ云えるのは
私と太宰さんが付き合ってない。と云う事だ
「好き」も「愛してる」も1度も云われた事が無い
それでも太宰さんは私と接吻をする
「何故」と、思った。
でも、私はその内考えるのをやめてしまった
私なんかより頭のキレる太宰さんの心の内を探っても、何も分からないと悟ったからだ。
私と太宰さんの関係にプライベートなものはない
唯の… 「上司と部下」の関係なのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。