第4話

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2019/09/29 09:17
太宰治
太宰治
接吻させてくれたらちゃんと仕事するよ
北原 藍華
…え?




接吻… …、え、接吻!?



待って待って待って… 何故そうなった
太宰治
太宰治
ね?いいだろう?





良くないです!!!


全然良くないです!!!





…なんて云える筈もなく。

北原 藍華
えっ、と…冗談、ですよね?
太宰治
太宰治
之が冗談に見える?


そう云った太宰さんは私の耳を優しく触れる


北原 藍華
ひゃぁ…っ///
太宰治
太宰治
ほら。こんなにも感じているのに


太宰さんに後頭部を抑えられ、接吻をする







その接吻は、長く、甘かった

北原 藍華
ん…っ


息が苦しくなって、酸素を求めて口を開くと
そこに太宰さんの舌が入ってきて、より濃厚な接吻になる



北原 藍華
太、宰さ…、ぁ…っ///












ピピピピッ ピピピピッ




北原 藍華
!!



腕時計のアラームが鳴った




重役会議の30分前にセットしておいたものだ。





北原 藍華
太宰さん…ッ!
本当に遅刻してしまいます…!
太宰治
太宰治
… ちぇっ
北原 藍華
ほ、ほら!早く動いてください!!





私は太宰さんを寝台から引きずり出し


北原 藍華
玄関で待ってますから!着替えなどを済ませて来てくださいね!!



そう云って部屋を出た。







パタン…。と扉を閉め、壁にもたれ掛かった藍華はその場にうずくまる




北原 藍華
びっ…くり、した…///




実は云うと、太宰さんとの接吻は之が初めてではない。


初めての接吻は1年前。
私が太宰さんの幹部補佐を務め初めてからだ。



太宰さんがどう云う気持ちで接吻をしたのか、
私には想像をつかなくて、、、





でも、一つだけ云えるのは

私と太宰さんが付き合ってない。と云う事だ








「好き」も「愛してる」も1度も云われた事が無い




それでも太宰さんは私と接吻をする










「何故」と、思った。


でも、私はその内考えるのをやめてしまった


私なんかより頭のキレる太宰さんの心の内を探っても、何も分からないと悟ったからだ。










私と太宰さんの関係にプライベートなものはない


唯の… 「上司と部下」の関係なのだ。






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