伊野尾先生の一言のお陰で、授業の後の休み時間は全員体育祭の話で持ち切りだった。
かく言う私達もまた、どんな係をしたいかと言う話題で賑わっていた。
どうやら私達の学校で特別な衣装を見に纏えるのは、応援団幹部の人達だけのようだ。
まぁ、全員着れるとなれば衣装製作係の人達が大変だろうから当然と言えば当然なのかも知れない。
机に視線を向けながらノートに落書きをしていた私の手がピタリと止まった。
彼女には一応先輩との件は話してあるのだが、なぜそれにも関わらずこうして彼の名前をわざわざ口にしたのか。僅かではあるが、苛立ちを隠せずにいられなかった。
モカちゃんの一言が私の胸にグサリと棘を刺す。あまりにも的確な図星を突かれ、思わず言葉を失ってしまった。
素直に「うん、好き」と言えれば話は前に進むのに、意地っ張りな私はどうしてもその一言を口にできなかった。
―――そう。全て彼女の言う通り。
先輩の事は今でも変わらず好きだし、本当は以前のような仲のいい“友達”のような関係に戻りたかった。
だが、私の意地っ張りな性格のせいか彼とすれ違っても素直に挨拶をできない私がいた。
馬鹿みたいな意地を張るのは辞めて、素直に自分の気持ちを伝えられたら。とは言え、それは私やモカちゃんが思っているよりもうんと難しいのだ。
たった1粒の勇気で済むのだろうけど、今の私にはそんなもの持ち合わせていなかった。
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作者のあずきです!
いつもお世話になっております(﹡ˆ﹀ˆ﹡)♡
ここまでのお話はいかがでしょうか?
何か意見等あればお聞かせ願います♡
さて、実は昨日から新作が連載中なんです!
今回はそれのお知らせをさせて頂こうと思います♪
『FRUITS CANDY』
店長代理の知念くんとアルバイトの女子高生あなたの甘酸っぱい恋愛小説です!
これまで学生の恋愛を書いてきましたが、今回は少しズレた視点でのものを書いてみようかと思いまして……!
もしも興味がある方は私のプロフ画面からお進み下さい🙌👏👏
そちらの方でもコメントやいいね等常にお待ちしております!
最後………!
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では、これからもあずきの小説をよろしくお願いします♪
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。