第16話

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2022/12/03 09:22
~るぅとside~ 




ころん
…ッ!!

るぅと
あっ、ころちゃん…まっ……!!
「待って!!」

という前にころちゃんは鞄を持って走って教室から出ていってしまった。



僕の横を走っていった君の顔は赤くなっていてそして涙が流れているのが見えた。









教室にポツンと残された僕。




「好きです」



そう言い放った君の顔を思い出す。
るぅと
…違う…違うんだよ……
何が違うんだよ
るぅと
…!?
いつの間にか教室のドアにもたれ掛かるさとみくんの姿があった。


るぅと
…人の告白を盗み聞きですか?
さとみ
そんなつもりねぇーよ。
忘れ物を取りに来たら、教室から飛び出してくるころんがちょこっと見えたから来てみただけだ。
るぅと
…どうだか…w
さとみ
あぁ?
小馬鹿にしたように僕が答えるといかにも不快というようなさとみくんの声。
るぅと
自分の気持ちに嘘しか付いてないさとみくんの言ってる事なんて信じられませんね。
さとみ
お前だってさっきのあの答え絶対嘘だろ。
なんでわざわざ突き放すような事してんだよ。
るぅと
僕がお付き合い出来ないのは本当ですよ。
さとみ
は?



嫌いなんじゃない。むしろ大好きだ。






でも、僕は付き合えない。



るぅと
僕は嘘つきではありません。





わざと笑顔でさとみくんにそう言ってから教室を出ようとする。


すると、
さとみ
…お前、まだ引きずってんの?

さとみくんの横を通りかかった時そう言われた。
るぅと
…なんのことですか?w
僕はもう行くので。



そう言って足早に教室を出る
さとみ
…じゃあ俺が奪うから。
るぅと
…ッ!?
その言葉に足がピタッと止まる。


さとみ
明日の放課後、16:10に俺がころんを奪いに行く。
るぅと
……悪戯ですか?
さとみ
んなわけw
…本気だよ。



「そうですか」と素っ気なく返事をして教室を出て廊下を歩く。






本当は奪われたくなんてない。





よりによって友人に好きな人を奪われるなんて考えただけで苦しくなる。




でも、僕は付き合えないんです…。









……付き合っちゃダメなんです。








目の前がだんだんと滲んで、頬に涙が伝った。











~ころんside~






「ごめんなさい」






静かな教室に君の声がそっと響いた。




その瞬間、僕の中にあったものが一気に崩れ落ちたような、温かかったものが急に冷たく凍りついたような感覚が広がっていくのがわかった。



即座に鞄を持って逃げるように教室を出る。


そして、何も考えられなくて、考えたくなくて頭がぼーっとしたまま家に帰る。









家に着いて自分の部屋まで駆け上がりバタンとドアを閉めたところでようやく涙が溢れた。





ころん
…っグズッ…うぅっ…!
そっか。






僕、振られたんだ…。








その場にしゃがみこんでただひたすらに泣いた。












やっぱり、告白なんて間違ってたんだ。





















作者
前回のお話で「ごめんなさい」というるぅとくんの返事に対して「えぇ!?何で!?!?」ってコメントして下さる方達を見るのが楽しかったです笑

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