でも待って、金剛地先輩が推しに似ていると言っても、金剛地先輩は推しじゃないし!
そもそもリアルの人で推す対象になるのは声優さんだけだし!金剛地先輩は美しいし声も良いけど知り合いを推すとかないし!
いくら似てるからってイコール金剛地先輩も推し!とかは誓って無いから!!!
心の中で大きく深呼吸する。そう、それが一番大切だ。……たぶん。きっと。
気合いを入れてRICEのアイコンを押す。そして、納豆同好会参謀部の会話画面を開く。
× × ×
こんな感じのことが45件ぎっしり書いてあった。声はないのにうるさいです。声がないから語彙力喪失せずに済みましたけどね!
それは置いておいて。開いちゃったから既読ついちゃったよね。どう返答すればいいのかさっぱりわからないんですけど。
と悩んでいたら画面に珍妙な画像が表示された
ナニコレ。誰が描いたかは言われなくても余裕で分かりますけど。ナニコレ。
不安を掻き立てる歪んだ主線。手に持ったうねる何か。なんかちょっと格好つけてるようにも見える立ち方。
ってことはそのあとは金剛地先輩の自作納豆を何にかけるか真剣に話し合うことになるんですか?
落書きとも呼べない何かにも真面目にリテイクを出す金剛地先輩はただの真面目なのだろうか、それとも天然なのだろうか。
思考が突き抜けていて、声が南風野智明さん似の時点で、天然記念物的な何かではある気はするけれど。
こんな胡乱でキャラクターとは言い難い何かが完成形なのか。
伊織の芸術センスのなさには呆れを通り越していっそ感心する。……時もある。今とか。
なんでそこで私に振るの!雑すぎる振り方やめてよ!私「え?」って発言したよ!動揺を伝えたよ!
金剛地先輩まで、なんでそんな恐ろしいことを急に言い始めるんですか!
伊織も金剛地先輩も、私にどうしろっていうの!?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。