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第29話

あなたは誰なの
 今日はいろいろありすぎたし、落ち着いて夏焼の数でも数えよう。
金剛地零哉
金剛地零哉
急なことでお前も驚いたとは思うが、前向きに検討してほしい
金剛地零哉
金剛地零哉
……俺は、本気だからな
 目の前に、夏焼が一人。

 ……この人は夏焼?私は夏焼の夢主人公?
金剛地零哉
金剛地零哉
金剛地零哉は金剛地裕真を超える……!
 違った、この人は金剛地先輩だ。

 いつも納豆のことを考えてて、仕切りたがりで、意外と面倒見が良い金剛地零哉先輩だ。

 私はその人の美貌を、夏焼奏架空の人物に重ねてみていた。
金剛地零哉
金剛地零哉
金剛地零哉は早見悠香を軽んじない……!
 私は金剛地先輩を軽んじていた。

 ……なんでこの人はここまで眩くあるのだろう。

 私は……。
金剛地零哉
金剛地零哉
早見、携帯を出すな。正直にお前の口で答えてくれ!
 気がつけばまた情けないことをしていた。

 無意識にとりだした携帯を、スカートのポケットに仕舞う。
金剛地零哉
金剛地零哉
ゆっくりで構わない
 焦りを滲ませた口調で先輩が言った。

 藤花のことを思い出す。私、目の前の人だけじゃない、自分のダメさからも逃げてる。

 リア充とか非リアとか関係ない。私が強くならないとこの先もずっと同じことを続けるんだと思う。

 藤花。金剛地先輩。……伊織。
早見悠香
早見悠香
……私は、金剛地せんぴゃ、先輩のこと!
 東の空に夜の色が滲みだした。金剛地先輩が喉を鳴らす。
早見悠香
早見悠香
その、ずっと……二次元のアイドル、みたいに、思ってました
 本当にどうしようもなくダメな人間だと、声に出して改めて自覚した。

 なんて恥ずかしい人間なんだろう。
早見悠香
早見悠香
だから私、金剛地先輩にふさわしくない……と思うんです
金剛地零哉
金剛地零哉
……なぜそうなる
 そうだ、金剛地先輩はオタクカルチャーに疎いんだ。

 もっと噛み砕いて、納得してもらわないと……。
早見悠香
早見悠香
その、私、金剛地先輩は別世界の人間、だと思ってた部分があって……
金剛地零哉
金剛地零哉
……?要領を得ないのだが
 あっ、ダメだ。これは本当に別世界の人間だ。

 もっとはっきりと、結論だけ言わないと……。
早見悠香
早見悠香
恋愛対象として、見てないんです
 ……!言った!言っちゃったよ!

 はっきり言うにしたって言葉選べよ!バカ!バカすぎ!コミュ障!
金剛地零哉
金剛地零哉
……結婚とは共同体を作るための契約だ
金剛地零哉
金剛地零哉
なっ友との共同生活が始まると思えば良いだろう!
 ……え、あの、なんか、新しいスタイルの結婚を提案されたのですが。

 っていうか結論を急かないでくださいよ、先輩。
金剛地零哉
金剛地零哉
俺と契約して新たな生活をはじめるだけだ、早見!
金剛地零哉
金剛地零哉
毎食納豆を食べる生活をな!
 その契約はちょっと、だいぶ嫌だなぁ。

 卵かけご飯やスパニッシュオムレツも食べたいですし。