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第34話

ドルオタVS納豆、学校頂上決戦 キュウ
金剛地零哉
金剛地零哉
全校生徒に告ぐ!今すぐに一切の活動を中止し、グラウンドに集まれ!
金剛地零哉
金剛地零哉
これから俺による俺のための一大ショウが始まる!
金剛地零哉
金剛地零哉
この催しはきっと貴様らを満足させることだろう!
 金剛地先輩の雄々しい美声が学校中に響き渡る。

 本当、声を聴いてるだけならうっとり出来るんだけど、内容がなぁ……。
早見悠香
早見悠香
なんか、私が入ったせいで変なことになっちゃってごめんね、伊織
 伊織はフェンスに身体を預けて、ペンラを握った腕を組んで考え込んでいる。
早見悠香
早見悠香
あのさ、私の責任だし、伊織は何もしなくて良いから
徳武伊織
徳武伊織
これは俺の戦いだ
 独り言みたいに伊織が言った。
徳武伊織
徳武伊織
金剛地先輩とは決着つけないといけなかったし、それが今だってだけだ
 伊織の目は決意を宿して曇り空を見ている。

 空気が湿っている気がする。昼まではそうでもなかったのに。
早見悠香
早見悠香
意味分かんない……
 決着って何だよって思いながら、私も重く暗い空を見上げた。

 けじめをつけるべきは私なのに、なんでこの人達が戦うみたいな流れになってるんだろう。



 × × ×


徳武伊織
徳武伊織
金剛地先輩、本当に人望ありませんね
金剛地零哉
金剛地零哉
っふ、あいつらには俺の呼びかけの意図が理解できなかったのだろう。愚かなことだ
 あの放送から30分後。グラウンドでは普通に野球部のリア充達が部活しているだけだった。

 あんな二次元みたいな校内放送キメてこの結果って!

 いや、本当に全校生徒集まってきたら私はその時点で死んでたと思うけど!
金剛地零哉
金剛地零哉
とはいえ、呼びかけ続ければ民衆は自然と集まるものだろう
金剛地零哉
金剛地零哉
始めるぞ徳武。俺たちの戦いを
金剛地零哉
金剛地零哉
いや、争いは同じレベルの者同士でしか起こらない。これは一方的な虐殺だな
金剛地零哉
金剛地零哉
せめてもの情けとして俺が先に出てやる。まぁ、結果は変わらんがな!
 ぶつぶつ言いながら、金剛地先輩はフェンス際に立つ。
金剛地零哉
金剛地零哉
全校生徒諸君!俺は生徒会長、金剛地零哉だ!
金剛地零哉
金剛地零哉
今日は新入生の徳武伊織と決着をつけるべく、このような催しを開かせてもらった!
 誰も聞いていないのに、金剛地先輩はグラウンドに向けて堂々と叫び続ける。

 強い。あまりに強い。ちょっと羨ましいくらい強い。どうなってるんだろう、この人の心臓。
金剛地零哉
金剛地零哉
さて、俺と徳武はそれぞれ自分の好きなものと、早見悠香への思いを熱く語る
金剛地零哉
金剛地零哉
どちらがよりすぐれていると感じたか、諸君らにジャッジしてもらう!
 思い切り私の名前を言いやがった!できる限り姿勢を低くして、ゆっくりとフェンスに寄る。

 野球部員達が練習をやめてスマホをこっちに向けている!これ明らかに撮影されてるヤツじゃん!下手すればネットのさらし者になるヤツじゃん!
早見悠香
早見悠香
や、やめるカナァ……
金剛地零哉
金剛地零哉
ふん、これでこそ催し物だ!民の血を沸かすのも覇者の勤め!
 ダメだこれ、もうこの流れ止めようもない……。

 だってこの人、私の説得じゃ絶対止まらないもん。
金剛地零哉
金剛地零哉
俺の納豆と早見への愛、お前達のスマホに永久保存しろよ!
 私はフェンス際から走り去る。恐怖と羞恥に抗いながら伊織の隣に立つ。

 どんどんグラウンドが騒がしくなっていく。

 ああ、なんだかんだいってこの人は妙なカリスマあるんだなぁって今更ながらに悟った。
徳武伊織
徳武伊織
なんだこの茶番
 伊織、それだけは言わないで。私だって本当は茶番だって言って帰りたいくらいなんだから!