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第11話

金剛地先輩の未来予想図
 これってさ、イケメン二人に奪いあわれるっていう、二次元的に美味しいイベントだと思えばいいの?

 そんな風に思い込もうと頑張ってみたけど、画面から伝わる圧が凄まじくて無理だった。
金剛地零哉
金剛地零哉
乗っ取るというなら相応の覚悟をしろ
徳武伊織
徳武伊織
覚悟ならとっくに決まっています
 その覚悟を私にまで要求しないでほしい。
金剛地零哉
金剛地零哉
早見、お前はどうなんだ?
早見悠香
早見悠香
私は別に乗っ取る気なんて……
徳武伊織
徳武伊織
悠香!納豆を選ぶのか!?
早見悠香
早見悠香
頼むからややこしくしないで!私そういうつもりじゃないから!
金剛地零哉
金剛地零哉
徳武、お前は早見を強引にアイドルオタクの道に連れ込む気だったのか!なんと不埒な……
 あ、なんかイケメン二人に奪いあわれるみたいな流れになってきましたね。

 納豆だのアイドルオタクだのという言葉さえなければまさにそれですね!

 なんて強がってはいるけど、これから話がどう転がるのか全く予想がつかなくて怖いです。
金剛地零哉
金剛地零哉
そんな人間は俺の部下にふさわしくない。今すぐ納豆同好会から除籍してやる
金剛地零哉
金剛地零哉
早見、お前もこんな人間につきまとわれて大変だったな。お前のことは上司としてしっかり守ってやる
早見悠香
早見悠香
え?あの、それは言い過ぎでは
 浮かれる要素を見いだせないほど怖い方向に話が転がっていく。
徳武伊織
徳武伊織
そちらこそずいぶんと勝手なことを言っていませんか
徳武伊織
徳武伊織
第一、部下とか上司とか、同好会で出てくる言葉ではありません。ただの校内の集まりですよ?
金剛地零哉
金剛地零哉
徳武、お前は納豆同好会をただの集まりだと勘違いしているのか
 私は変な集まりだと思っています。なんて当然言えるわけもない。
早見悠香
早見悠香
もしかして内申に響くとか……
金剛地零哉
金剛地零哉
内申?いや、内定だ
早見悠香
早見悠香
え?内定?
金剛地零哉
金剛地零哉
納豆同好会での活動には、俺が将来建てる会社の内定がかかっている
金剛地零哉
金剛地零哉
だからこそお前達は部下候補として俺に能力を示さねばならないというのに。徳武、貴様は
 なんかだいぶ身勝手な発言をしていますが。

 確かに私は未来の夢とか持っていない。だからっていきなり現れた進路に乗るほど未来を軽視してもいない。
早見悠香
早見悠香
あの、金剛地先輩も伊織のこと言えないと思うんですけど
 あ、凄い。声がないって凄い。口先の語彙力が消えないから窘めることもできる。凄い。
金剛地零哉
金剛地零哉
!?
金剛地零哉
金剛地零哉
早見、俺はお前を理解者だと思って目をかけていたというのに……
早見悠香
早見悠香
ええと、何の告知もしないで私にも伊織にも進路を強制してたわけですし、伊織のことだけ否定するのはちょっとひどいかなー、と
 え、なんかショック受けてらっしゃる。でもやっぱり勝手に未来を決められるのはちょっと困るし。
 ああ、言っちゃった言っちゃった……。金剛地先輩にこんなに意見したの人生で初だ。

 出会って二日しか経ってないけどな!
金剛地零哉
金剛地零哉
お前達は俺のやり方が気にくわないというのか?
徳武伊織
徳武伊織
少なくとも俺はありえないと思いました
金剛地零哉
金剛地零哉
……早見は
 すっごい嫌な質問だ。

 けれど伊織は権力をちらつかされたあとでもしっかりと返答した。

 私はどうしよう。でまかせは良くない。少なくとも金剛地先輩は真面目に質問しているのだ。
金剛地零哉
金剛地零哉
早見はどうなんだ
 私はどうだろう。未来を描いていない私は。