これってさ、イケメン二人に奪いあわれるっていう、二次元的に美味しいイベントだと思えばいいの?
そんな風に思い込もうと頑張ってみたけど、画面から伝わる圧が凄まじくて無理だった。
その覚悟を私にまで要求しないでほしい。
あ、なんかイケメン二人に奪いあわれるみたいな流れになってきましたね。
納豆だのアイドルオタクだのという言葉さえなければまさにそれですね!
なんて強がってはいるけど、これから話がどう転がるのか全く予想がつかなくて怖いです。
浮かれる要素を見いだせないほど怖い方向に話が転がっていく。
私は変な集まりだと思っています。なんて当然言えるわけもない。
なんかだいぶ身勝手な発言をしていますが。
確かに私は未来の夢とか持っていない。だからっていきなり現れた進路に乗るほど未来を軽視してもいない。
あ、凄い。声がないって凄い。口先の語彙力が消えないから窘めることもできる。凄い。
え、なんかショック受けてらっしゃる。でもやっぱり勝手に未来を決められるのはちょっと困るし。
ああ、言っちゃった言っちゃった……。金剛地先輩にこんなに意見したの人生で初だ。
出会って二日しか経ってないけどな!
すっごい嫌な質問だ。
けれど伊織は権力をちらつかされたあとでもしっかりと返答した。
私はどうしよう。でまかせは良くない。少なくとも金剛地先輩は真面目に質問しているのだ。
私はどうだろう。未来を描いていない私は。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!