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第22話

リアジュウ、キケン
 ハイパーリア充妹、藤花の巧みな……っていうか強引な誘いで、私と藤花と伊織と金剛地先輩で食卓を囲むことになってしまった。

 今日ほど我が家の広さを呪ったことはない。4人入っても余裕でスペースがある我が家のダイニングキッチン。絶対に許さない。
早見藤花
早見藤花
人がいっぱいいると楽しいよね♪
 これだからリア充様はよぉ!私たちの間に流れる気まずい空気に配慮するとか一切ない。

 っていうか、頭がお花畑すぎて気付いてないみたいだ。

 学校だとそこが可愛い、和む、とかって評判になるあたり、この子はやっぱ生まれついてのリア充様なんだよなぁ……。
金剛地零哉
金剛地零哉
やましいことがないならっとっとと二人で部屋に行けばいいものを……
徳武伊織
徳武伊織
俺たち、家に上げてもらってる立場なんですよ。少し黙っててくださいよ
 私は一言もしゃべれなかった。語彙力以前に本当に何を話していいのかわからない。

 伊織の「憎い」発言とか、金剛地フーズの件とかが頭の中でカラカラ回ってる。回るだけで明快な解決策は何一つ組み上がらない。頭の出来の悪さを思い知らされる。

 こういうとき藤花だったら微笑み一つで全て解決しちゃいそうなのが、本当に腹立たしい。

 泣けてきた。なんで私はそうじゃないんだろう。
金剛地零哉
金剛地零哉
早見妹、貴様が調理を担当するのか?
早見藤花
早見藤花
あたし、おねえより料理上手だから!あと、あたしのことはと~かって呼んでいいよっ♪
金剛地零哉
金剛地零哉
ふん!気色の悪い女だ!
 リア充様は金剛地先輩に振り向いて、微笑みの爆弾を投げた!だが、金剛地先輩には炸裂しなかった。

 金剛地先輩がいなかったら、私の胃がストレスでお亡くなりになっていたかもしれない。ありがとう金剛地先輩。
金剛地零哉
金剛地零哉
おい早見、お前にコイツをやる!俺の昼食はお前が作れ!
金剛地零哉
金剛地零哉
あのクソ女の作ったものなんぞ食べたら、納豆が腐ってしまう
金剛地零哉
金剛地零哉
腐ると発酵は違うのだ!
 金剛地先輩は納豆色のシャツをたくし上げ、思いっきり腹部を露出した。な、なんてことを!

 ……皆さん既にお察しかと思われますが、アレだ、自作納豆だ。

 でも!でも!そんなことより!うっすらと腹筋が見える引き締まったお腹。

 ……カナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
徳武伊織
徳武伊織
人の家でなにやってるんですか!金剛地先輩こそ破廉恥じゃ……
金剛地零哉
金剛地零哉
ふん、納豆同好会参謀部を勝手に抜けた人間の言うことなど聞かんぞ!
金剛地零哉
金剛地零哉
今回は枝豆で作ってみた。納豆化するにあたって大豆より手間がかからず、これはこれで良い
金剛地零哉
金剛地零哉
何より粒が大きく、噛み応えがある!
 カナ?カナカナ?カナカナカナ?

 ……カナ?……カ……ナ……。



 × × ×



 気がついたら、何かかたいものの上に頭があった。なんだか居心地が悪い。

 身体は柔らかいものに沈んでいる。こちらは身体に良くなじんで心地いい。
金剛地零哉
金剛地零哉
なっとうき~んは~♪なっとうの~はは~♪
 歌は上手いのに最悪なセンスの歌詞だ。顔の上から聴こえる。あと、耳元で何かがグーグー鳴ってる。

 つまり、私の頭の下にあるのは……金剛地先輩の……太もも……。
早見悠香
早見悠香
カナァァァァァァァァァァ!!!!!
金剛地零哉
金剛地零哉
早見!うるさいぞ!
 あなたのせいなんですけど!とは言えなかった。口先の語彙力が死んでる。

 場所は私の部屋のソファだった。っていうか!なんで私の部屋なんですか!

 ポスター!カレンダー!ポストカード!アクリルスタンド!クッション!抱き枕!……添い寝カバー。

 カナグッズだらけの!私の部屋!なんですか!
徳武伊織
徳武伊織
藤花、ちゃん……?
早見藤花
早見藤花
いおっち、と~かのことはと~かでいいんだよ?
徳武伊織
徳武伊織
と~、か?
早見藤花
早見藤花
そうそう、おねえのことなんかあたしで忘れちゃえ~……
 そして、なんで隣からこんなに不愉快な会話がきこえてくるんですか……?

 これは悪夢ですか?