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第4話

生け贄収穫祭のはじまり!
システムメッセージ
グループ【納豆同好会参謀部】に参加しますか?
 どうすべきか考えあぐねていると、伊織から電話が入った。
徳武伊織
徳武伊織
RICE見たか?
早見悠香
早見悠香
納豆同好会参謀部、だよね……
徳武伊織
徳武伊織
お前は拒否しとけ。俺だけ入る
早見悠香
早見悠香
あ、うん、任せた
 納豆同好会参謀部のことは、過去最高の頼りがいを発揮している伊織に任せることにする。


 × × ×


 伊織に任せた結果、今日はオリエンテーション終了後に生徒会室に向うことになった。
徳武伊織
徳武伊織
初めてなの~♪こんな気持ち~♪ほくほくして炊きたて~♪ふわっふわ~♪
クラスメイトC
徳武君って……
クラスメイトA
しっ!関わんない方が良いよ
 伊織のまともスイッチは金剛地さんが関わると入るようだ。クラスでの伊織はいつも通りの危険なヤツ。

 そういえば、金剛地さんってどのクラスに所属してるんだろう。もしもオリエンテーションで会ったら……会ったら……。

 口先の語彙力が死んで、私はこれ以上ないほどリア充から遠ざかることだろう。
徳武伊織
徳武伊織
悠香も歌ってくれよ。俺なんかよりよっぽど上手いんだしさ!
クラスメイトB
ってか、マジでできてんのあの二人?
クラスメイトC
そ、そうなのかな……?
 いや、既に手遅れだ。取り返しがつかないところまで来ている。


 × × ×


 結局、オリエンテーションで金剛地さんに会うことはなかった。

 HR終了後、伊織と二人で生徒会室へ向う。生徒会室を前にした伊織は鬼気迫る表情だ。ちょっと怖い。
金剛地零哉
金剛地零哉
源義家、光厳法皇、聖徳太子、弥生時代、戦時中……
 生徒会室にて、金剛地さんはパイプ椅子に座り、納豆作りの歴史の本を読んでいた。

 なぜ納豆ガチ勢が生徒会室を貸し切りにしているのか。そもそも何の話をしているのか。

 そんな疑問が浮かんだが、金剛地さんの美貌と美声で私の口先の語彙力は死亡していることだろう。

 現状、足はぷるぷる震えながらも、なんとか直立を保っている。これ、昨日より悪化してない?
徳武伊織
徳武伊織
金剛地先輩、いえ、金剛地生徒会長
 え、金剛地さんって先輩だったの?っていうか生徒会長だったの?

 貫禄はあるけどなんか変だから、私と同じく高校生活の初手をミスった一年生だと思ってた。
金剛地零哉
金剛地零哉
知っているか?納豆を最初に食べた人物には諸説ある。それ以前に、納豆が生まれた経緯や時代にも諸説があり……
徳武伊織
徳武伊織
約束は守っていただけるんですね
金剛地零哉
金剛地零哉
……お前達が四名ほど入会希望者を連れてこられたならな。それはともかく、人の話を遮るな
早見悠香
早見悠香
いい(何の話?)
徳武伊織
徳武伊織
俺と悠香は絶対に、納豆同好会を退会させていただきます
 さすがオタななじみ。語彙力喪失した私をスルーして話を続けることをすぐに学習したようだ。それどころか私にもわかるように話を繋げてくれた。

 それにしても伊織は、金剛地さん改め金剛地先輩が絡むとまともな言動しかしなくなるよね。もういっそ金剛地先輩と組んだ方が良いんじゃない?

 そんなことを考えていたら、私は伊織によって生徒会室の外へ引っ張り出された。
徳武伊織
徳武伊織
いくぞ、生け贄を探しに!
徳武伊織
徳武伊織
ふふっ。とっけ~ろ~冷凍ご飯~♪おいしさもう一度~♪
収穫されたあの頃~♪思い出して~♪
 金剛地先輩という枷が外れた途端、伊織はいつもの伊織に戻ってしまった。

 私は語彙力が戻るから良いとしても、伊織には常備用金剛地先輩を渡したい気分になった。

 そんなもの、持ってないけど。