~回想~ (※長いです)
私は幼い頃、人見知りな女の子だった。
人と話すのが苦手で、健人にしか心を開かなかった。
そのせいか、幼稚園の頃は男の子によくいじめられた。
この時からだろうか。健人に抱きしめられると安心するのは。
いじめられたことをきっかけに、私は変わりたいと思うようになった。
女の子にも積極的に話しかけるようになり、友達もいっぱい出来た。
いわゆる親友というのもいた。
健人は小学6年生の時、修二と彰を見て、ジャニーズに興味を持つようになった。
そして、中学3年の時、涼介くんに憧れて履歴書を送った。
私も涼介くんが好きだと言ったら、健人が、
「俺もいつか山田くんみたいなアイドルになりたいんだ」
と目を輝かせて語っていた。
健人に頼まれて、
オーディションに付き添いでついていった。
すると、よく分からないおじいさんに、
と話しかけられた。
「はい」と私が答えると、
スカウトされた。ジャニーさんに。
でも、私は女だし、自信も無くて断った。
2年後のある日。
健人に、「ジャニーズ入らない?ってジャニーさんが言ってたよ」
と衝撃的なことを言われた。
もちろん断った。
すると、「見学だけでもいいから来て」と言われた。
見学に行くと、同年代の男の子たちが歌ったり踊ったりしていた。
その姿はとてもかっこかった。
その人たちが輝いて見えて、感動したのを覚えている。
同時に、「私もやってみたい」という感情が芽生えた。
家に帰って兄にも相談した。
と言われ、履歴書を送って、オーディションを受けた。
ジャニーズに入っても、みんなが受け入れてくれて、仕事は楽しかったし、歌やダンスを人一倍頑張ったりして順風満帆な日々を送ってた
はずだった。
高校の中には、学校の人気者である健人と仲良くしていて、ジャニーズに入っている私のことを気にいらない人もいた。
学校で私の物が無くなることもよくあった。
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当時、高校生だった私には、小学校からの親友がいた。
名前は莉樺。
初めての友達で、私は莉樺のことが大好きだった。
でも、
ある日、健人と一緒にいた時、廊下で莉樺が、隣のクラスの女の子たちが話しているのが聞こえてしまった。
人生最悪の日だった。
莉樺に裏切られて悲しかった。
ずっと親友だと思ってたのに・・・
私は涙が止まらなかった。
健人は、莉樺たちの方へ向かっていった。
渡り廊下
健人が戻ってきた
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長いので一旦切ります!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!