西で一番の力を持つお家『花嵐』。
そこの分家に生まれたのが、ぼく 『叢雲カゲツ』やった。
ぼくの生まれた集落は花嵐の刃となる人材を集めた場所で、言うなれば汚い仕事やって沢山やる人間の集まりやった。
ぼくも言われた通りに訓練して、いつか父様や母様みたいな立派な忍者になるんやって息巻いてた。
そんなぼくの人生が変わったのは、7つの頃やったやろか。
親と離れる日が来るのはわかってたけど、こんな突然だなんて、脳が追いつかなくて涙ぼろぼろ流しながら駄々こねとったのよう覚えてる。
ぼくのこと抱きしめてくれた父様の手も震えとって。
花嵐のお家の子供は一人しかおらん。
それも確か女で、家継ぐことなんかできん。女が当主なんて認められるわけがないから。
それやったら、多分最終的に家を継ぐんはぼくや。
一人娘やろうと何やろうとみんな殺して、ぼくが頂点に立つ。
そしたら、きっと父様たちにまた会えるし、きっと誰も苦しまんで済む。
そう、思っとった。
花みたいに笑う、一つ年上の小さなおひいさま。
その姿があんまりに綺麗で、あぁ、この人のことは汚せない、ぼくが守らなあかんなって
直感的に思ってしまった。
だから、
荒い息であなたを汚そうとする当主が許せなくて、僕は ______
気がついたら、ぼくらは半壊した屋敷の中にいた。
少し離れたところにあの男の亡骸が転がっている。
よかった、あなたを守れたんや。
世界がまた、暗くなった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。